ユリイカ2008年10月臨時増刊号 総特集=杉浦日向子
単行本未収録の漫画「三味線枕」(さみせんまくら)をオールカラーで読めるだけでも購入する価値はありますが、実兄・鈴木雅也さんの回想「妹 順子」、中沢新一との怪談をめぐる対談、ソバ好き連のメンバーによる座談会などなど、盛りだくさんの内容で杉浦日向子さんの生き方や江戸と向き合う態度を浮き彫りにしている好企画です。
カラー版 20世紀の美術
絵画、彫刻を中心とした20世紀の西洋美術の流れがぎっしり詰まっています。
パラパラっと中身を見ると読みやすそうですが、実際読んでみると内容を理解しながら読み進めるのは結構大変なように思えます。というのも20世紀美術は「〜主義」「〜アート」「〜イズム」といった美術界の動きが多数あるのですが、それらに関する記述が簡素に要約されていて、美術の初心者にはイメージしづらいからです。
ただ、非常に広範囲の内容をここまでまとめ上げているのはすごいと思います。近代・現代美術に興味があってよく美術館や展覧会に行くような人にとっては重宝するのではないかと思います。
山本容子 : エンジェルズ・アイ ~天使たちの降りるとき~
夏に那須で知人の画家さんの個展があり、友人たちと出かけた。その時にBGMでかかっていたのがこのディスクである。
クリスマスの曲が多いのに、クリスマスに限定しない不思議な大らかさがあった。
ヴォーカルはEPOのチャーミングでユニークな声、ヤドランカの温かな落ち着き、そして古楽スペシャリストでもある波多野睦美さんのナチュラルで透明な声・・と、根底ではつながっている3人の女性ヴォーカリスト。少しずつ趣が違う演奏が聴けるのはとてもぜいたくだ。
学生時代に合唱の授業で歌ったコルシカ島の歌は懐かしかった。
天使好きとしては、タイトルもジャケットも惹かれた♪
あしたも着物日和 (徳間文庫)
私は近藤さんの漫画が大好きなので、即購入したのですが、
これは近藤さんの漫画を読んだことがない人でも、「着物」を着る現代女性全員に読んで欲しい本!
昭和の時代に着やすく、安価なオシャレ着物が流行って、
それ以来、着物道にはまり込んだ近藤さんの体験を書いた本なのですが、
色々な下着や着付けグッズ、着物の着方を学ぶ本などを色々と試して、
あくまでも個人の消費者としてどう思ったのかが記されているので、
「うわ、自分が本を読んで感じていた疑問はこういうことだったのか!」と気がつかされたり、
「着物の格って、こう解釈すればいいのか」と納得したり・・・
着物の着方を習う本ではないですが、着物について感じる疑問を解消するために、読んで欲しい一冊。
長年、着物を着ている人が読んで、「ある!ある!」というところもあるし、
初心者の人はこれを読むと、失敗が少なくなるかもしれません。
近藤さんの漫画のテイストを期待すると、ちょっと違うテイストではあるのですが・・・
近藤さんのお気に入りの着物の着方の紹介を読んで、
「あ!漫画のテイストと似ている!」と妙な納得をしました。