Rings Around the World
縦横無尽なポップアルバムとしての性能はかなりのものである。メロディの好き嫌いはあるかも知れないが、グリフのソングライティングの力量はすごい。最近のUKロックのどこにも属さない音と言える。
ゲリラ
98年秋高品質なBサイド集を出して以来のオリジナル3作目。相変わらず宇宙からまぎれこんだコンピュータ・ウィルスが増殖し続けているような、へんてこな音の嵐。同出身地のゴーキーズをふと思い出したが、どんどん内省的に進化している彼らが影なら、SFAはウェールズの光か。テクノを笑い、ギターに固執せず、ポップを食い尽くす。世紀末ネオ・サイケとでも言うべき彼らの指向はやはりパンクだ。
Guerrilla
英国はウェールズのカーディフ出身、「Emily」「Ffa Coffi Pawb」といったバンドのメンバーが集まって1993年に結成、当初はテクノ指向のサウンドでしたが、徐々に同郷の「Gorky's Zygotic Munch」あたりと共通するスタンスのスペーシーなサイケデリック・ロック的サウンドへと進化します。これは1999年にリリースされた3枚目のアルバム。ここら辺でちょっと原点回帰というか、初期のテクノ・ライクなサウンドへと再び取り組みますが、ここでも真のオリジネイターぶりを発揮、チープなテイストのオールド・スクール・テクノの手法を用いて、初期とはちょっと違うぞって所を見せつけられます。そして前作にも感じられた抑揚感のあるサウンドがさらに深みを増し、パンキッシュなテイストのストレート・エッジなサウンドから、ピコパコしたエレ・ポップ、奇妙な電子音が鳴り響くスペイシーなチューンまで飛び出します。そんな中で一番目立っているのが、牧歌的とも言える哀愁味溢れるレイド・バック!したサウンドで、ここら辺がバンドの個性となりつつある感じすらします。相変わらずの雑食性でもって多種多様な表情を見せるSFAのマジカル・ポップ・ワールド、ハマると抜け出せませんよ。傑作です!