踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! シナリオ・ガイドブック (キネ旬ムック)
「踊る大捜査線」のシナリオ・ガイドブックもこれで6冊めです。いつもの如くメインスタッフ、メインキャストのインタビューや本編のシナリオやスリアミの「深夜も踊る」のシナリオ、年表などが掲載されています。
本編のシナリオですが興味深いのは「欠番」になっているシーン。今回はセリフがカットされている場面は無いようです。全編にわたって注釈があり至れり尽くせり。どのような意図でその場面が作られたのかがわかります。
「MOVIE3」は本編の登場人物がかなり多く「登場人物紹介」が充実してます。主役級の方からチョイ役の方まで同じサイズの小さな写真でコメントつきの紹介がされているのですが、TV版の時から必ず出演されている「お遊び」キャラからチョットだけ出てくる刑事さんまで網羅されているのが嬉しいです。
余り裏話的なものに興味の無い方もいらっしゃるでしょうが今回も「MOTOHIRO MEMO」はかなり詳細で、かゆい所に手が届きすぎてDVDの発売が待ち遠しいです。映画館でみただけでは情報の確認が出来ません。
踊る大捜査線 THE MOVIE 3 カエル急便おまとめパック 【初回限定生産】 [Blu-ray]
まず、私は十年来の踊るフリークである。
肯定否定の評価にしても、この点は考慮に入れてもらって構わない。
端的に言って、この作品は一部で悪評が高い。
それは、この作品をどう見ていいのかわからないという戸惑いが大きいのだと思う。
細部のリアリティーにこだわりながら、大きなファンタジーを描く。
テレビシリーズから一貫して、この作品の新しさはそこだったと思う。
したがって、ぶれてはいけないのはキャラの細部の設定と矛盾しないファンタジーの設定なのだ。
脚本に批判が集中しがちであるが、脚本はストーリーを観る限りかなり出来ていた。
ファンであるからきついのだが、今回の作品を面白くないと感じた人が多かったのであれば、監督の本広さんのぶれとしかいいようがない。
「キャラがたっている」という踊るの売りをもし崩したいのであれば、それに相当する「確立した世界観」が必要なのだ。
はたして、今回松本さんの音楽とともに立ち上がっていたキャラを、菅野さんの音楽で消す意味があったのか?
ここのキャラを消した後全体をまとめる世界観を、本広さんがしっかりした形で持っていたのか?はこの作品を観る限り疑問だ。
しかし、この作品は以下の一点だけに関してはしっかりと伝えてくれている。
ヒロイン恩田すみれが湾岸署員にこういう言葉をなげかける時がある。
「これからは、私たちだけになるんだよ!」
何気ないシーンなので見逃しがちだが、このセリフはかなり重い。
これは、主人公である青島刑事が不治の病に侵されていることを知り、それを恩田が皆に告げているシーンで出てくるセリフである。
この青島刑事の病気に関してはまた違う展開が待っているのだが、物語進行時点で最愛の仲間・同士を失うかも知れないせっぱ詰まった感覚が現れている。
しかし、このセリフの真意は多くのファンには伝わらなかったようだ。
このセリフは、実は青島刑事のことを語った言葉ではなかった。
この「踊る大捜査線」という物語に欠かせない最愛の仲間・先輩・同志であるあの人物の喪失感を埋める言葉であった。
そう、その人物とはいかりや長介演じる和久平八郎刑事だ。
movie2までの全シリーズを共に生きた和久さんこといかりやさんは、movie2が公開された後すぐ亡くなってしまった。
その喪失感にスタッフもキャストも苦しめられ、大人の理由で再三続編制作持ち込んでもうまくいかないほどになっていた。
「これからは、私たちだけになる」という現実を受け止めるには、7年という時間が必要だった。
それでも、この作品のスタッフは前に進むことを決めたのだ。
大切な仲間の、まだ死にたくなかった仲間の、不本意な死。
その人のどうしようもない喪失感を乗り越えて、あえて物語を紡ぐのであれば
その大切な仲間の死を物語の中で乗り越える青島が戦う相手は
観念的に美化された死を信奉する集団でしかない。
movie3では、小泉今日子演ずる自己破壊願望の強い日向真奈美がテロ集団の首謀者になった。
そして、真奈美に感化され手応えのない観念的で美化された死を玩ぶ集団が出来た。
かつての、オウム真理教のように。
おそらく「踊る大捜査線」は、このような観念のために死をも辞さない(あるいは死を玩ぶ)全てのテロに対して闘うことを決めた。
まだ死にたくなかった・死んで欲しくなかったあの人の死を乗り越えるために。
「被疑者を逮捕することが、俺達の仕事だ」
と言っていた、あの人の教えを受けたものの誇りとして。
だから、上に射殺命令が出てようと、被疑者である真奈美を生きた形で逮捕しようと全力を尽くすのだ。
大事な人の死を乗り越えること 。
それは結局 「これから私たちだけになる」 という寂しさや不安や責任を きちんと引き受けることなのかも知れない。
その上で、自分が何を出来るのか 、闘うべき相手は誰なのか 。
それを見極めないといけない。
「生と死」。
今回の作品は、この重いテーマを考えさせる映画でもある。
インド哲学の研究者として、このテーマを常に考えざるを得ない立場からすると、この作品はかけがえのない教材になるだろう。
その意味で、エンターテイメントを期待していた観客を裏切ることになってしまったのは事実であろう。
A 2000
このCDはトレンディー俳優としても有名な柳葉敏郎さんのアルバムです。
CDの中に入っている「お世話になりました」や「もう一軒飲みに行こう!」は柳葉さんの実体験を元にしているような感じがします。
上京する時の気持ちや久しぶりにあった友人との暗くなりがちな会話。そういうものが聞いていてたやすく想像することが出来ます。
また最後の曲名が「まがりくねった道の上で」。
『道』という単語が入っているのは元一世風靡SEPIAの柳葉さんらしい。
硬派!男道・男歌
まず、この内容に見合ったジャケットということで、江田島平八を起用したことに拍手を送りたい。男たるもの、その心意気に惹かれるのだ。
内容は、はっきり言って、男臭い。が、それが実にいい。徳間ジャパンのCDだけに(?)一世風靡関係が3曲になったのは仕方ないが、哀川の兄貴の歌声はシビレる。また、このところ何かと話題の多かったガッツ石松氏の歌の上手さに感心。そして、室田日出男の「有難うございます」がたまらなくいい。でも、室田のオヤジが入っているんだったら、なんで志賀勝のオジキは入ってないんだ!そりゃ、寅さんは日本の象徴の一つだが、「男はつらいよ」を外して、志賀のオジキの「男」あたりを入れた方が、筋が通ったんじゃないかい?で、星を一つ減らしました。
ソニーから「男宇宙」という傑作アルバムが出たりして、「時代劇」「刑事(デカ)」ものの次は、もしかして「男」ブームが到来か?まだまだ、男気や侠気を感じさせるアーティストや曲はいっぱいあるから、第2弾やフォロワーを期待する!