若葉のころ (凜一シリーズ) (集英社文庫)
凛一がつい口走ってしまった「もう逢うべきぢゃない」と言う一言。今まで以上に怒涛の展開があります。3年振りに帰国した有沢の存在や、まだ心を患っている正午など、予想外の展開はある意味で必然。でもなんとなく『再生』をキーに、未来が開けた気がします。ただそれでもどうしても切なさが漂ってしまうのが凛一シリーズの肝。情緒溢れる生活や言葉使いなど、そう言ったものの美しさと言うのが、このストーリーの主人公である凛一同様に、凛とした佇まいの格調をこの本に与えています。その清々しさが切なさを生み出しているような気もします。ここまで屈折した主人公なのに、どこか感情移入してしまえるのは不思議です。実は家族が揃っている正午よりも、凛一の方が周りには恵まれているような気がしま!した。話のスタートが1977年のため、この2003年には凛一たちも40歳を越えてるわけで、小説の登場人物たちながら、凛一は家元になれたのだろうか?とか、氷川とは一体どうなっているんだろう?とか、いろいろ想像してしまいます。シリーズ完結と言うことで、どうやら著者の長野まゆみさんもこの続編は書くつもりがなくなってしまったらしいので、残念でなりません。有沢がどうなっていくのか、知りたかったのに…扉絵がいつも凛一だったので、この本は一瞬、え?と思ってしまいましたが、読んでいくうちに、あぁ、そうだったのか、と不思議な気分になりました。このシリーズ一気にお読みになる事をオススメしたいと思います。
若葉のころ (講談社文庫)
ドラマを見た後にこの本を読みました。主人公の武史と甲斐。二人の境遇はまったく違っていて、それでも互いは強い友情で結ばれます。武史は、少年院の独房の中でも、自分を信じていてくれる友達がいるからがんばれる、と言い続けて出所の日を迎えるのです。
友情のすばらしさ、胸に残ります。そして、裏切りとはなにか。強さとは?人間のもろさとは?支えとなるものによって、人は強く生きることもできる。求めるものが変われば、生き方も変わっていくのです。武史の、そして甲斐の、愛情の深さに感動できる、そんなストーリーです。
小さな恋のメロディ ― オリジナル・サウンドトラック
1971(昭和46)年、日本公開。青春前期のメモリアルとして、ある世代の多くの人々(含むオレ)の胸に刻み込まれている《伝説の青春映画》のサントラであり、なおかつ、この作品の関連アイテムとしては―LPの時代から通算すると―おそらく最も長い間、流通している商品である。初期のビー・ジーズによる名曲の数々を中心に、体育館でのダンスパーティーで流れていたキャッチーなバブルガム・ポップ「1日中踊ろう」、むしろ今聴くとジャストな部分もあるインスト曲たち(「シーサイド・バンジョー」の冒頭のホーンは、小林旭の「恋の山手線」のそれと瓜二つだったりするが)、そしてラストを飾るCSN&Y。40分足らずの収録時間だが、構成というか流れが絶妙で、何度聴いても飽きないのがうれしい。そういえば、ビー・ジーズのギブ三兄弟は、この映画についての質問をあまり好まなかったとか。確かに、後年のさまざまなヒット作品に提供した楽曲とは違い、ここに収められた劇中使用曲はすべて一度、世に出たもの。この映画のため曲作りをしたわけではない、ということも、それには関係しているのだろう。だが、それにしたって、これらの楽曲のハマり具合ときたら奇跡的というほかないし、何より、一時低迷していた彼らを、このサントラの―それも多くは日本における―売り上げや人気が支えた部分があったことは確かなのではないか、と思う。
最後に。この作品が大ヒットし、しかもこれだけ長い間、多くの人々から大切に思われ続けている国は、意外かもしれないが、この日本だけである。この事実は、我々が思っているよりずっと、誇りにしていいことなんじゃないだろうか。
いけないいもうと (MDコミックスNEO 25)
★4の上ギリ。
旧PNくどうひさしの改名後初な、著者の成コミ7冊目(通算8冊目)。
巻頭カラー4頁含む、早漏な兄と遅漏な妹のどーしよーもないラブソング。
カラー4頁含む、お互いを見つめ合ってた兄妹の想いがひとつになるとき。
意識しすぎてスレチガイ気味になってた兄妹の想いがひとつになるとき。
カラー8頁含む、何の変哲もない恋人期のはじまり。
妹の下着でオナってた兄と、二人の妹の興味津々。
久々ご一緒お風呂ではじまる兄妹のえっちな時間。
気の利く友人のおかげで棚牡丹えっちな女生徒の嬉し恥ずかし。
8頁ショートのラブドラマ。
擬人化されたTVの8頁ショートなオバカ系。
妹は実はオッパイ星人だったというオバカ系。
くノ一的取り調べ術な12頁ショートのオバカ系。
超久々に著者のどーしよーもなさが全開になる、10頁ショートな大バカ系。
以上、タイトル割愛御免。
ほか、後描き4コマ有り。
メディアックス移籍で改名したけど作風は変わらず。
『激ヤバ』掲載作+アンソロ掲載作+『ドルフィン』の残り物の組み合わせ。
妹モノは12編中6編ですのでご用心。
今回ショートが4編で、特に巻末作品は、大バカなアイデアと暴走ノリが素晴らしかっただけに巻末作はせめて16ページ欲しかったですね。
純愛系と欲望系とオバカ風味で三分割。
無論、エロ作画はいつも通り。二人の想いが奏でる体温のあるえっちを、全身の緊張感と表情で魅せる手法が素晴らしく、濃い口まではいかなくても決して薄味ではありませんが、ハードコアとしてはかなりソフトな部類です。
ヒネリも何もない純愛空間をひたすら素朴に描いた『ボクパイ』『若葉のころ』が個人的には最愛。
『超絶超人!!アクメちゃん』『いけないいもうと』『いもうとマニア道』もベタ惚れ。
今回は強力な暴走系がわずか1編だけど、ファンなら絶対にゲットしなさい、なキュンキュンに充ちた一冊。
若葉のころ DVD-BOX
kinki kids 二人が、ものすごくカッコいい。
剛の演技が、感情がこもっていて、かなりうまいと思う。爽やか好青年から、影のある冷たい男への変貌を遂げるところや、肩を震わせて泣くシーンなどなど、迫力の演技。
光一のほうは、もう少し淡々としているけど、こういう役柄なので仕方ない。ある意味、見せ場が少なくて役者としては損かも。
昭和っぽいご都合主義の脚本だけど、Kinki二人はよく演じているので、引き込まれる。
エンディングで二人仲良くバスケをするところも、好感度大。