Journey to the One
とあるライターにいわせると80年代のファラオはコルトレーンのカヴァーしかできない
堕落したミュージシャンだったらしい。
かわいそう!そういうひとはコルトレーン学者かなんかなんだろう。
これも泣ける。
ファラオの叫びの先に愛をみる。
ラヴ・イン・アス・オール
ジャケットがキース・ヘリングを思わせるポップアート調で、なんかピンときません。
これではファラオ・サンダースのブラックネスがやや伝わりにくい感じですが、
録音された73年というと、米黒人の人権的社会活動が盛んだった時代。
中身はとても熱く濃い1枚です。
#1は、イントロからベースラインがグルーブ感を生み出しており、
クラブシーンでも受けそうな感じがわかります。
後半のb、pにサンダースのsaxが被る落ち着いた雰囲気には、
どういう訳か私は、広大な大地に沈んでゆく夕陽を思ってしまいました。
#2は、タイトル通り、師と崇めたコルトレーンに捧げた1曲。
思ったほどフリーキーでもなく、
この手の曲はややもするとフリージャズの「苦痛」な領域に入ってしまうのですが、
ギリギリのところで踏みとどまっており、
特に後半のジョー・ボナーのpは美しい旋律を湛えています。
サンダースが好きなら絶対おススメします。
Thembi
ワタシ的には「カルマ」を聴き終わった時の不思議な爽快感の視覚的イメージがこのジャケだと思うんだね。内容も「カルマ」が集団の連帯感と集団の結束による救済と解放みたいな(こう書くとまるっきりのカルト教団みたいだ(笑))のがテーマだとしたら、この作品は個人各々の音楽的なアイデンティティの発露がテーマだと思う。しかも「カルマ」の集団解放によらなければ確立されない高い次元の自我(うわっ宗教じゃん(笑))がテーマなんだと思います。この後のファラオが自我を取り戻した上での再連帯て言うか利他的アプローチ、愛による普遍的救済(もはや神の領域か(笑))を指向して行くのは至極当然な事かもね。(とほほの助)