Jasmine
2007年、キース・ジャレットの自宅にあるケイヴライト・スタジオにて録音。録音エンジニアにはマーティン・ピアソンを起用。マスターはMSMスタジオで行われている。
まずキースはこの作品の帯にこう書いている。『Call your wife or husband or lover in late at night and sit down listen.』。たくさんの古きラヴ・バラードを盟友チャーリー・ヘイデンとのデュオで聴けるこのアルバムにふさわしいコピーだ。ピアノの音色は当然自宅のケイヴライト・スタジオなので、名盤『The Melody At Night, With You』に非常に近い。ただ、あの頃は体力的にもやっと復帰した時期だった訳だが、かなり回復した今のピアノは快活で優しい。
文句のつけようがないステキなアルバムである。ぼくは特にラスト・チューンである『Don't Ever Leave Me』が気に入った。キースの言うとおり最愛の人と聴きたいアルバムだ。
ザ・ケルン・コンサート [SHM-CD]
キース・ジャレットのケルン・コンサートをジャズ喫茶で聴かない日はないというくらい70年代後半よくかかったアルバムである。緑色の箱ジャケの3枚組のソロ・コンサートが最初出た頃には、もっぱらそちらを聴いていたが、追いかけるようにリリースされたケルンは、より親しみやすい楽曲で、いつの間にか主役を採っていた。ソロピアノだけで聴衆をこれだけ魅了できること自体すばらしいことであるが、同じキースのフェイシング・ユーやチック・コリアのソロ・ピアノ1,2などわりと短めの練習曲的なソロピアノが主流だっただけに、コンサートのライブとはいえ、これだけ長時間聴かせ、飽きさせないキースの演奏はひとつの革命的な出来事でもあったといえよう。その後スタンダードに戻ってきたキースだが、70年代のソロピアノによる自己探求が、あれほど深く美しい音楽世界への旅立ちを可能にしたのであろう。
SJ150 キースジャレット:ザ・ケルンコンサート ピアノのための
本来その場にいた聴衆しか聴くことができなかったはずの即興演奏がCDやレコードとして残されているだけでなく、譜面まで買うことができるなんて信じられない幸せです。
キース本人はケルン・コンサートは即興演奏であり完璧な譜面を起こすことは不可能であることから出版には後ろ向きでしたが、“弾いてみたい!”という世界中の熱い声に押され、どなたかが書き起こして下さったスクリプトをキース本人が添削し出版許可をしてくれる運びとなったそうです。
耳で聴いただけではとても音を拾いきれない素人にはこれ以上嬉しいプレゼントはありません。難しいですがお気に入りの部分だけでも自分で弾けた感動を考えたらとても安いお買い物でした。
The Melody At Night, With You
キース・ジャレットという人の演奏の中でひときわ異彩を放ち、最も美しい1枚、それがこのアルバムです。
題にあるとおり、なんとも形容しがたい演奏なのです。ただ、ただひたすらに美しい。しかし、あとにも先にもこのような演奏はキース自身でもこの1枚しか行っておらず、このあたりがジャズらしいというか、本当にキースが自分の部屋にふっと現れて、ピアノを弾いてくれているような。そんな感じに今の私には思えました。
キース特有の唸り声も全くと言っていいほど入っておらず、あれが苦手な方にもお勧めできます。全ての音楽ファンに聴いていただきたい1枚です。
キース・ジャレット―人と音楽
僕はキース・ジャレットの全アルバムを持っているほどの大ファンです。イアン・カーのこの伝記を読み、全アルバムを年代順に並べてみると今までと違った気持ちで聴く事ができました。
一番印象に残ったのはパリのコンサートでのめちゃくちゃな観客のシーン。天才は苦労人です。
『デェア・ヘッド・イン』での最初の仕事ぶりとアルバム『アト・ザ・デェア・ベッド・イン』がシンクロしました。