老子・荘子 (講談社学術文庫)
中国人の文化に深く息づいている老荘思想。
その教えはシンプルでありながら、それゆえ逆に深遠で測り難いものがあります。
彼らの説く「道」は、言語だけでは決して理解できるものではありません。
しかし、本書の表現を借りるなら、道に近づくためには
”真理を覆い隠す落ち葉”を払いのけなければならず、
それにはやはり言葉の力を借りねばなりません。
本書は正にそんな「落ち葉を払いのける」最初のきっかけになってくる一冊かと思います。
平易な言葉遣いながら、優しく外堀を埋めるかのように、老荘思想の深奥を感じる手助けとなってくれます。
まず章立てが非常にわかりやすい。
老荘思想の概要を大まかに説明した後、彼らの書から重要な部分を抜粋して注を加え、
さらにその後、時代を追って老荘思想がどのように中国文化に影響を与えてきたかを説明してゆきます。
道教や仏教との結びつきにまで触れてゆく点、我々日本人にも大きな示唆を与えてくれます。
思想というものは単純にその原書に触れれば良いというものではなく、
その思想が今に連綿と息づいてきた経過を知って初めて立体的になるものかと思います。
その意味、本書の姿勢は入門書として非常に高く評価できるのではないでしょうか。
安心してお勧めできる良書です。老荘思想に興味をもたれた方の最初の一冊として、是非。
ベートーヴェン:歌曲全集
曲目を見ても知らない曲ばかり、それもそのはず、主にベートーヴェンが若い頃に作曲したもの。
伴奏のピアノだけを聞いていると、ベートーヴェンの作風も随所に見られるのが分かります。
軽やかな曲調が多く、朝のBGMやリフレッシュ時に聞きたくなるような感じです。ペーター・シュライヤーの歌声も甘美。
様々な作者の詩がメロディーに乗って流れるのを楽しむのもいい、貴重な曲集。マニアな方におすすめです。
記紀の考古学 (朝日文庫)
大物の考古学者のエッセイ的な読み物。独特の筆致が読みやすい。
自身の経験を踏まえ、神武天皇や箸墓古墳、仁徳天皇などのトピックについて記紀の文献学と考古学をつき合わせた見解を展開している。また民俗学や人類学などの成果を踏まえ、縦横無尽に話は進められる。
氏自身の独特の緻密な文献史学と考古学の突合せ、邪馬台国説がうかがえる。
ドビュッシー:ピアノ作品全集
この全集は特に録音の状態が非常に良いです。この点も評価に入れてよいと思います。せっかくの名演も録音が悪いともったいないですので。演奏も決して悪くはないです。個人的には完全に満足とはいわないまでも、なかなかの好演奏だと思います。
ニューイヤー・コンサート2005
某TV局で映像が流れていました。
あまりのすばらしさに、もしや・・・っと思い探してみると・・・ありました!!
ニューイヤ-コンサートに相応しい選曲です。
ポルカだけでなく、クラッシックの楽しみが味わえる選曲になっています。