…絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)
新井素子の作品世界(主に初期から中期、と言おうか)の
登場人物、登場する環境のおさらいができる1本。
「扉を開けて」の原因になった、「あの場所」も登場する。
その場所がどのようにして生まれたのかもわかる。
初期から現在に至るまで、新井素子作品を読んでいる人なら、
もちろん読んでいるだろう、と思う作品。
ひとめあなたに… (創元SF文庫)
著者は言わずと知れたライトノヴェルの創始者である.これまで多数の著者が書いたライトノヴェルを読んで来て,創始者の作品を読んでいないことに気付き,幸い新装版で出たこの作品にトライして見た.これは厳正なSFで,地球の寿命はあと7日.この事態に総ての電車は止まってしまったために,ヒロインは練馬から鎌倉の彼のところまで歩いて行く.人々の精神的パニックと退廃は次第に深刻化する.この様子が非常にリアルかつ丹念に描かれている.ヒロイン(あたし)のゆく先々で,人妻から子供まで4名の女性が遭遇する哀れ悲しい事件が起きる.これらの事件は,それぞれ奇想天外なものではあるが,強く精神的荒廃の進行を印象づける.著者固有の軽い文体にも拘らず,物語の持つエネルギーは強烈で,読み手が受ける打撃は大きい.この作品は著者としては特別に重いものではないかも知れないが,やはり傑作としか評し得ない.これほどの作者が忘れられているのはどうしたことだろう.強く推薦する.
…絶句〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
1983年に出版され1987年に文庫化された同名の小説に、新たに書き下ろした短編2編とあとがきを加えた新装版。
#あとがきは新装版のものだけで、初出及び文庫化のときのあとがきはありません、念のため
#また“新装版”なので本編のほうは特に手は入れていない模様
今でこそ「メタな設定・展開・台詞」はそれなりに見かけますが、この当時は新鮮だった記憶が・・・
#しかも「メタな」部分が物語のテーマと結びついていて、単なる受け狙いでないのがいい
また、上巻のあとがきで著者も言及していますが(いつものように上下巻それぞれにあとがきがあります(笑))、若さゆえの勢いみたいなものがあって、新装版にあたって書き下ろされた短編との比較も興味深い。
「星へ行く船」
原作/新井素子
イラスト/竹宮恵子
作詞/佐藤ありす
音楽/西木栄二
演奏/アストライア
コーラス/川島和子グループ
収録曲
ディスク1
★ロマンチックSF「星へ行く船」
(1)SENTIMENTAL RUNAWAY BOY(米倉良広)
(2)GOOD-BYEは優しく(森村あゆみ)
(3)スリルいかが?
(4)DEAR…(森村あゆみ)
(5)STARDUSTに誓った
(6)TABASCO CRASH
(7)SHYなフィリップマーロウ
(8)突然 UPSIDE DOWN
(9)HEART BREAKなんて平気
(10)星へ行く船〜COSMIC LULLABY(森村あゆみ)
★カレンダーガール
(11)カレンダーガール(西木栄二)
(12)セレスハネムーン(同上)
(13)SWEET DREAMER(新井直子)
(14)ラブコレクション
(15)あ.ゆ.みグラフィティ(森村あゆみ)
ディスク2
★カレンダーガール
(1)活劇!宇宙娘参上!!
(2)BE MY GIRL(西木栄二)
(3)TEA FOR YOU
(4)FOR バタカップ-バタカップにささげる歌
(5)I LOVE YOU聞かせて(森村あゆみ)
★ロマンチックSF「そして、星へ行く船/逆恨みのネメシス」
(6)Believe(西木栄二)
(7)飛んでもHoney Star
(8)数えきれないPliease(森村あゆみ)
(9)パニックビート
(10)Flower-愛の花束(森村あゆみ)
(11)憎みきれないお人良し
(12)君はSold out(西木栄二)
(13)空の下はlonely
(14)宇宙一のLocky Girl(森村あゆみ)
(15)そして明日へ…(同上)
1991年日本コロムビア、COCC−7311〜12