ティファナ・タクシー
ティファナ風にアレンジされた様々なジャンルの曲が入った一枚。私のお気に入りです。
かなしい時もこのアルバムに何度癒された事か…。『第三の男』も、楽しいアレンジで、どの曲も飽きのこない仕上がりです。
おそらく、死ぬ間際まで聴いているでしょう…。
ベスト・オブ・スクリーン・テーマ
往時のサウンドトラックに絶対的な価値観をお持ちの方にはお勧めできませんが(かなりアレンジを変えてある曲もあります)、例えば車中で聞くといった用途では充分にイメージを楽しめる内容です。もちろん演者も一流ですので「映画」に対する思い入れがそれほどない方には充分すぎるほどの「一流の演者による名曲」を楽しめると個人的に思います。
その男ゾルバ (東欧の文学)
二の足を踏む人も多いと思うが、なかなか面白い小説なので、買うことをお勧めする。カザンザキスが三十代の時体験した事実を基に書かれたもので、ゾルバという男の含蓄に富んだ言動の数々が印象深い。特に女に対するふるまいが、ゾルバと「私」とでまるっきり違っていて、笑ってしまう。ギリシャの、とりわけクレタの風俗を知ることができるのも貴重だ。
その男ゾルバ [DVD]
アンソニー・クインの出た映画の中で最も好きな作品だ。一昔前のギリシャが意外にも現代の日本を彷彿させるものがある。どういうことかと言うと、女は海外にあこがれる。これに対して男は国内だけにしか関心がなく、そんな女を強く嫉妬し、日本の携帯電話みたいに限りなく鎖国化、ガラパゴス化していく。そういう現代の日本の男と女の違いを、この映画におけるギリシャとイギリスの関係に置き換えてみればわかる。まったく、こんな日本に誰がしたと言いたい。しかし、こうした世界はミクロの世界、物理学で言えば、原子や電子の世界なのだ。一方、この映画で最後に主人公二人が、ダンスをするシーンがある。踊りはいったい誰を観客にしているのだろうか。ギリシャ文化を理解する上で、”宇宙”という概念は欠かせない。観客は宇宙という劇場に指定席をもつ人々なのだ。しかし、吉田敦彦も主張するように、日本の古事記にはギリシャ神話との間に深い因縁で結ばれたものがある。ここにミクロの世界とマクロの”宇宙”という概念がつながっている。クレタ島などにいったことのある私は、ギリシャと宇宙の関係がよくわかる。考古学的にはスパルタでみつかった古代の仮面を追うと、この関係が見えてくる。詳しくは、「縄文人の能舞台」と「宇宙に開かれた光の劇場」(二冊とも上野和男・著)という二冊の本を読むと、この日本・ギリシャの照応関係が見えてくる。後者の本は17世紀のオランダの画家・フェルメール研究を介して、ギリシャと日本を寓意で中継している。古代ギリシャのスパルタの仮面は、日本の能登半島の真脇遺跡でみつかった縄文の仮面と照応している。真脇の仮面が怒ったように見えるのは、嫉妬なのかもしれない?
その男ゾルバ 〈特別編〉 スタジオ・クラシック・シリーズ [DVD]
子供の頃見た時は、未亡人のミステリアスな魅力に、すっかり
惹かれてしまいました。
でも、おとなになって見直すと、なぜか、マダムの方が、だんぜん
かわいいと思ったので、自分でもビックリ。
そういえば、私自身、マダムと同じくらいの年になっていたのです。
ゾルバに看取られて息を引き取るマダムのなんと幸せなこと!
ゾルバも、いいですね。
邦題も素敵です。