ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)
桐野夏生「残虐記」を読んだすぐあとに
この作品を読んだためか、この二作品が
不思議な関連性をもってわたしの気持ちに
強い印象を残した。子どもにとっては
事件そのものよりもそのあとの「周囲の目」
のなかで成長することが残酷なのだ。
この作品をお読みになったら、ぜひ
「残虐記」もお読みになることをおすすめする。
「世界」はそもそもデタラメである (ダヴィンチブックス)
「14歳からの社会学」を購入したときに、本書は「14歳からの社会学」の上級編です、という著者の宮台真司さんのポップを見て、一緒に購入しました。
ダ・ヴィンチで連載されていた、一見、映画評論のようですが、映画について語っているようで、実は、わたしたちの生きている<社会>や<世界>、そしてそこを生きる宮台氏自身について、語られていました。上級編というだけあって、難解なところもありましたが、難しいことをかんたんに偽装して語るのでなく、難しいことを難しいまま言葉を尽くす宮台氏の姿勢に誠実さを感じましたし、より深く理解できそうな気がしています。(すみません、もう少し精読しないと、言い切れない……)
ただひとつ、わかった気がすることは、タイトルにもなっている、「デタラメ」という言葉、これは、世界への自分への、とても強い肯定の言葉なのだということ、だ。
ミスティック・リバー [DVD]
”クリント・イーストウッド” ”ショーン・ペン” ”ティム・ロビンス”
「Mystic River」の製作に関わった三人にはちょっとした共通点がある。彼らは数々の作品で高い演技力を見せた俳優であり、監督としても非凡な才能を発揮してきた経歴を持つ男たちなのだ。
物語の筋自体はそこまで入り組んだものではない。路上で遊んでいた子供たちが、成長してそれぞれ違う職業に就いて生活をするようになったころ、ある殺人事件が起きて彼らの関係が蘇るというものだ。この映画の魅力は決してストーリーではない。そのストーリーが進行する過程で、人が悩み、怒り、感情と理性がぶつかり合う瞬間の表現にあるのではないか、と私は思う。
よくクリント・イーストウッドの映画は「暴力」というキーワードで成り立っていると言われる。確かに今作にもそういった場面はある。だが、それは映画を構成する一要素であって、全てではないはずだ。「暴力」よりも良い表現があるとするなら、きっとそれは「登場人物たちの意識の正確な表現」となるかもしれない。小説でも映画でも同じことだが、つまらない作品では、一つの事件が起きた時に、登場人物みんなが同じような表情や感情を抱く。しかし、彼の映画ではまずそのようなことはない。人物が三人いれば、誰一人として同じ反応は見せない。その現実世界らしい多様性が、リアルな深みを生み出す。
明るく楽しい気分になれる内容ではありませんが、「映画らしい映画を観たな」と実感させられる力強い作品です。
シャッター・アイランド (ハヤカワ・ミステリ文庫)
映画をみた。モヤモヤしたので原作を読んだ。もう一度映画をみた。なんと三回とも発見があった。私は楽しませていただいた。この分だとDVDも買ってしまいそう。
ミスティック・リバー [Blu-ray]
ブルーレイを購入して初めてこの映画を観ました。
衝撃のバッドエンドにより観る者の淡い期待を打ち砕く映画は数あれど、この作品は別格です。
決して楽しい映画でも感動する映画でもありませんが心に残るものは大きいです
画質は結構いいです。まあそんなに昔の映画じゃないから当たり前かもしれませんけど。
そんなわけで、映画も気に入って、画質も良くて、特典も充実しているので
この値段で買えたことには満足しているのですが、こんなに重苦しい映画をもう1度観ようと思うかは謎です。