悪人 スタンダード・エディション [DVD]
これからご覧になられる方もおられるでしょうから、筋立ては省かせていただきますが、当初想像していたよりも、かなりシリアスな作品でした。
殺人犯と逃走する女性。被害者、加害者の家族を交互に映し出してゆきます。
一つの事件の背後には、様々な事柄が存在している状況が描き出されてゆきます。
次第に、普段我々が接している報道やニュースといったものの怖さを感じさせられることになります。
一番怖いのは、そのニュースを好奇心に満ちた目で見守る私たちかもしれません。
深津絵里さんが、モントリオール映画祭の主演女優賞を獲得したことで話題になりましたが、脇を固めた、樹木希林さん、柄本明さんが見事でした。妻夫木聡さんも渋かったです。
悪人 シナリオ版 (朝日文庫)
おのれの誕生から現在まで一瞬にして思い返し、俺は悪人だったと思わせるすごい映画。太鼓判押して傑作、必見。
そのシナリオ。
久しぶり。涙があふれていく事態になった。目前にある次々と変化する画像と私は自らの生誕から現在までを一気に振り返らされていたのだ。
自らの時間軸と この作品に登場する人たちの時間軸を比較しながら 観た。
いい作品と出会った。
映画というのは こうでないといけない。
ホンと、若い男の子と 二人の女の子。
ただし 最初の女の子 死。
そのごの 逃避行。
女が逃避行を選んだ。
ここが ユニーク。
わかる。
灯台での二人の生。
さあ、どうなるかは お楽しみに。
「悪人」って、歎異抄に述べられかつそれぞれが好きなように解釈する偉大なる「悪人」と混同してはならない。
ようするに現在の日本における「悪人」像なのだ。
自己も巻き込まれる。
そして 私は涙があふれた。そして、流れた。
いい作品に 久しぶりに出会った。
二人の若き役者の質が高いことに日本映画の希望を得た。
製作にかかわった諸氏に感謝したい。
この作品にかかわった諸氏の「座談会」が読みどころ。率直すぎる。
これまた 感動。
ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書2 「勉強」と「仕事」はどこでつながるのか
ミスター日産といわれる水野和敏さんの話や、カリスマ占星術家といわれる鏡リュウジさんの話が特に面白かった。
車が今後は安い大量生産ではなく、高品質でエコなものへのシフトが起きるであろうといった部分が心に残った。
占星術家は、クールな科学とウェットな占星術とに分けて、科学は客観的なものであるが、占星術は主観的なものであり
星座で貴方はこういう人と断言するような擬似科学的な占いを批判している。
鏡リュウウジさんの本も読んでみたいと思った。
悪人 (特典DVD付2枚組) [Blu-ray]
芥川賞作家・吉田修一の、’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第8位、「このミステリーがすごい!」国内編第17位にランクインしたベストセラー小説を『フラガール』の李相日監督が映画化。吉田修一は共同で脚本も手がけている。
福岡県の三瀬峠で保険外交員の若い女性の遺体が発見された。事件当初、捜査線上に浮かび上がったのは地元の裕福な大学生だったが、当人の供述と新たな目撃者の証言から、やがて容疑の焦点は長崎県在住の土木作業員・清水祐一へと絞られる。しかし警察の目を逃れ、彼は出会い系サイトを通じて知り合った女性・馬込光代を連れ、逃避行を始める。
私は、今売れに売れている文庫版ではなく、ハードカバー版で原作を2年前に読んで、“魂が揺さぶられるような”感動を受けたが、映画はフランス映画っぽく、一種独特の雰囲気を醸し出していた。
清水祐一役の妻夫木聡と、一緒に逃げる馬込光代役の深津絵里。ふたりの体当たりの演技は胸に迫るものがあった。また原作ではあまり重きを置かれていない被害者の父親役の柄本明、祐一の祖母役の樹木希林が迫真の演技で、ストーリーの中でいいウエイトを占めていた。
SWITCH vol.26 No.5(スイッチ2008年5月号)特集:松本 潤[1/5の渇き]
嵐・松本潤くんの記事についてレビューします。
今回、本誌における松本くんの特集ページ数は12ページです。
そのうち、グラビアページが9ページで全てがカラーでそれぞれワンカットずつに松本くんが写っています。
グラビアに関して言えば、桜が満開の中で行われた撮影で、彼のオフショットを写しているようにも見受
けられます。そのグラビアカットのタイトルは「撮休」と題しています。
インタビューは、主に近日公開の映画(隠し砦の三悪人,花より男子ファイナル)の話で展開しています。
その中で、彼は「今がいままでの芸能生活の中で一番忙しい」と語っており、その多忙さの中でこそ、出
てきた言葉が今回のこのインタビューの中で大変興味深いです。
「最近、分かんないことが増えたんです。十代の頃は、これはこうだって答えを見つけて蓋をすることで前
に進んだ。それは答えが出ないことがすごく歯痒かったからなんです。今はひとつの答えだけを今すぐ探
して何も掴めないよりも、時間をかけていくつかの答えを探していきたい。もしかしたら一生見つからない
かもしれないけど、せめて今見えるものに一個一個をしっかり見つめていきたいと思っています」
文中から彼の言葉を抜粋しましたが、他の質問にも正直に今の言葉で語っています。
次の仕事がせまっているのか、急かすスタッフの声を制して最後に「シンプルでいたいんですよ、俺は」と
言って、松本くんはこのインタビューを終えています。
松潤の現在のスタンス、このインタビュアーさんが言っている「松本潤という人は、潤んでいるのに渇いた目
をしている人」その意味が分かる気がします。
松本くんのファンの方、映画を見ようと思っている方、少しでも興味がある方はとても楽しく読めると思います。
オススメします!