それでも町は廻っている 7 (ヤングキングコミックス)
褒め言葉として、相も変わらず、面白すぎる。
今巻ではストーリーにしてもギャグや小ネタにしても、特筆して良かったと思えるところが不思議とない。何を読んだんだっけ?というのは大袈裟だが、ここまですんなり楽しんでしまえる漫画ってなかなかないと思う。特別なことはしてない。ただただ面白い漫画だった。
そんな中で「コンタクト」のような構成の話があるからメリハリが利いてくる。最初読んだときはちょっと考えてしまったが、なるほど納得。発想のおもしろさ、起承転結、話の振り方、全て巧い。それも素人にも分かる巧さ。とにかく裏をかいてやろうというような作者の自己満足を一切感じさせないから気持ちいい。
くだらない話の中にこういう仕掛けがあるから参ってしまう。引っ張り続けている伏線の回収にも期待大。
ブランドの定着や新ジャンルの開拓がヒットの要因となる漫画界において、「それでも町は廻っている」は特殊な位置にいる。この漫画と同じ括りに入れられる漫画が他にないのだ。溢れるほどの萌え系や日常ギャグブームからはちゃっかり外れ、しかし色んな角度から攻めの姿勢を続けながら、「それ町」という唯一無二の存在を築いてきたように思う。
多くの漫画がメディアミックスへと消費されてゆくなか、闇雲なギミックにも頼らず、確かに「面白いこと」をしっかりと掴んでいるこの漫画は、今後も決して揺るがないだろう。アニメになってもきっと。そう願いたい。
メイズ参上!
アニメ「それでも町は廻っている」のED曲と、挿入歌のシングル。
これはすごいですね。何がすごいって、これほど作風にぴったりのアニソンはなかなか無いです。
ドラム・ベース・アコーディオンにバイオリンと、変則的な楽器がそろったバンド。それだけでも十分面白いのに、4人の歌い手がきっちりキャラを崩さずに歌いきっているのが素晴らしい。
何というか、良い意味で「ちゃんと真面目にふざけている」感じ。合いの手・セリフ・叫び声、どれをとっても手抜きがない。アニソンだからこそ表現できるふざけた歌詞がまた好印象。
どちらかというと、2曲目の方が普通に聴けます。アニメ第8話・学園祭のシーンで流れた曲。
テンポのいい音頭のような曲調が耳に残ります。
ただいずれにしろ、アニメを観たうえで聴くことが前提でもあります。特にED曲は、映像と相まってこその魅力がありますので。
EDを観て「これは!」と思ったなら、買って損のない一枚となるでしょう。
ネムルバカ (リュウコミックス)
同居する先輩と後輩のふわふわした日常を書いた傑作。
「それ町」のようにまったりの日常感をベースにするも、地歩がまだ固まっていない大学生達の焦燥感と不安がそれとなく描かれている。
このまま何となく社会人になって、何となく結婚して、何となく年老いていくのだろうな……、という漠然とした人生観はあるものの、それが保証されているわけでもなく、かといってそれ以外の道を探そうにも、探す手段すら分からない、といった一種無気力な後輩と、確固たる夢を持って頑張ってはいるものの、それがいつ報われるのか、そもそも報われるときがくるのかさえ分からず、漠然とした不安の中で頑張っている先輩。そんな二人のふわふわとした日常が書いてあるだけ。なのに面白いし、ラストは心にずしんとくる、不思議な作品。
明日の見えない、無意味ともいえる壁堀をやっていた鯨井先輩が、ある日手を伸ばすと、壁が突き抜け、けれど壁の向こうに行くのには、別の処にあるドアを通じて入っていくのが印象的。
だからこそラストへ収束することになるのだろう。本当に自分の手で壁を突き抜けて行っていれば、悲しい顔になんてならなかったのに……。
ちなみに自分は入巣柚実の方が好き。それと「萌えナビ」に興味があるんだけど……。
You can’t catch me(初回限定盤)
真綾さんが好きだからこそはっきり言わせてもらいます。
秘密もアルバムリード曲!というわりには?…ですし、やっぱり菅野よう子さんがいないと駄目なのか?ということを思い知らされたアルバムでした。
美しい人以外の楽曲は、真綾さんの良い声を駄目にしてしまっている気がします。
これじゃただの“アイドル声優”のアルバムですよ…。
私を含めて菅野さんの曲がいいと未だにしつこく言う方がいるのは、菅野さんがただ単にいい曲を作るからではなく、真綾さんの声がどうしたら綺麗に聞こえるか・生かせるかをちゃんと考えた上で「真綾さんのためだけの曲」をかいてくれるから、だと思うんです。
なんかもう、仕事だから作りましたみたいな曲多すぎです。
有名な人とか話題作りのために無理に使わなくていいから、真綾さんの声を生かせる作曲家の方を早く見つけてあげてほしいですね。
トライアングラー歌っている時より、このアルバム歌ってる時の方が苦しそうで聞いていられません。