アシュラ (下) (幻冬舎文庫 (し-20-3))
本作には始まりがあって終わりがありません。
その後が気になる魅力的な登場人物達が多数登場しますが、彼らがどうなったのか?主人公さえどうなったのか分かりません。
手塚治虫原作の「どろろ」を読んだときのような不完全燃焼さを感じます。
まるで高級料理を試食させられただけで終わったような気分です。
今から考えると本作が少年サンデーに連載されていたのは驚異です。
もし昨今の少年向け雑誌に本作が連載されればたちまちPTAやその他の団体から弾圧されることでしょう。
残酷な描写と陰惨なストーリー。殺害を繰り返す悪鬼のような主人公ですが、読んでいくなかでそんな彼に愛着のような感情が湧いていく展開が見事です。
登場人物のひとりが「あいつのことが好きだった」というように読者もアシュラに惹かれていきます。
もう無理でしょうが作者には是非続きを描いていただけないでしょうか?
その後がとても気になります。
歌謡曲番外地 東宝レコード映画・TV編~銭ゲバ大行進
歌謡曲番外地、映画・TV編であるが、『お尻の歌だもんね!』と同様濃厚な歌の世界が展開される。冒頭〜3曲目までは浜口庫之助作曲作品が並ぶ。唐十郎が歌う「銭ゲバ大行進」「銭ズラよ!」は映画『銭ゲバ』の主題歌。一方でパワー全開、方や心の底からこみ上げる怨念のような両極が火花を散らす歌の世界は絶妙のバランス。
鹿島とも子の歌う「愛ふたたび」「走れニコ」も素晴らしい歌唱で文句なし。特に途中からフランス語で歌われる後者はエレガント。大矢茂の隠れた名曲「アダムとイヴのように」は、加山雄三「君といつまでも」を彷彿とさせる。水原ゆう紀+トゥエルブ「ぼくらの名は青春」「思い出」はほんわかとした雰囲気のさわやかな青春歌。
それにしても映画『巨人軍物語 進め!栄光へ』の主題歌までも入っている。まさに歌の一大エンターテイメントのようである。ただどうせ本郷直樹を入れるなら、傑作ハードボイルド・アクションドラマ『白い牙』の主題歌も入れてほしかった。
とにかくどれもこれも、どこから聴いてもこの作品群の素晴らしさを充分堪能できる、そんな奇跡のようなアルバムである。
断罪!断罪!また断罪!!
曲数少ないけど、ミニ・アルバム扱いではないんですね。
とても個性的で、楽しいバンドです。
大槻ケンヂの事は、勿論前から知っていましたが、なかなか文章を書く才能がある人なんだなぁと、思いました。
なんとなく、シングル・バンド的な見方をしているのですが・・・。
もう少し、聴きこんでみたいです。
とりあえず、この手のバンドは好きなので、良い発見でした。
ピンクのカーテン [DVD]
美保純さんの貴重な日活時代の名作で、代表作の1本です。日活アイドル路線の中で、純ちゃんにも随分影響を受けました。原悦子さんがいなくなって以来ですから...。純ちゃんの日活出演は、このシリーズを含め僅か9本です。今では、ロマンポルノもDVDや videoでしか見られなくなってしまいました。純ちゃんの映画も性描写を除けば、一般映画と同じで充分満足いく作品ばかりです。シリーズ2.3も早めのDVD化を望みます。劇場のスクリーンが恋しいです。