ワールド・イズ・ノット・イナフ (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]
と公開当時、銘打たれたブロスナン=ボンドの3作目。
1999年の作品だが、今回のデジタルリマスターで画・音質共にアップされている。
シリーズ中最長のシークエンス(タイトル前のアクション)は、ユーモアも効いてて圧巻!
内容は、サスペンス色を盛り込むなど新機軸が見れる。
適役のRカーライルは、不気味な怪演ぶりを見せてくれるが、黒幕は別に居ると言う設定が、
その存在を少々希薄にさせているのが、残念。
Sマルソーは、その昔『ラブーム』で仏の薬師丸ひろ子とアイドル視されていたが、
今では脱アイドルの女優に成長。そして相変わらず美しい。
ボンドガールのDリチャーズは、原子物理学者と言う設定だが・・・どうしてもそうは見えない。なんだか軽い・・・。
この役、元々は保険調査員だったが、当時、ブロスナン主演の『トーマスクラウンアフェアー』での役柄と重なるので変更されたらしい。
『ゴールデンアイ』で登場した元KGB役のRコルトレーンも再び出ていて→笑える。
Qが、ボート共に去るシーンにドライな哀愁を感じたが、その後実際に事故死してしまった。合掌。
今作からボンドの吹替えは、神谷明に代わって横島亘が担当しているが・・・声質がブロスナンに合っていない。個人的には、TV版の田中秀幸がベスト。
★×3だが、あくまでもブロスナン=ボンドの他の3作品と比べて。本来は、★×4。
ティーチ・ミー・トゥナイト
「憂いのある深い声」と評されていましたが、
私はどちらかと言えば若く爽やかな印象を受けました。
「CRY ME A RIVER」やタイトル曲のバラードでは勿論そういう評も
頷ける良い味わいを出していますが、1曲目の出だしなんか
ホントに新鮮さを感じさせてくれます。
エディヒギンストリオは相変わらずの手堅い処を聴かせてくれていますし
Vocalとトリオ演奏の比率も五分五分に近いので、
ヒギンスファンの方々にもきっと喜んで貰えると思います。
ジャケも小粋です。
娼婦たち ヘア完全無修正 [DVD]
実際(?)体を張った人たちのインタヴューは、ある程度予想できる内容とはいえ(内容は星3)、リアリティがあった。体を売る側と買う側両方の視点もあるし、映像と音楽の構成と処理がうまいと思った(プラス星1)。確かに掘り下げ方が足りない点もあるが、売春を扱う大抵のメディアは、あまりにも社会学的か哲学的か政治的になり過ぎ、この問題の暗く深刻な側面のみに集中、結果として、つまらない映像になるケースが多い中、映像娯楽としてもかなり頑張った作品だと思う。監督はスペインの新進女流監督らしいが、何か才能はありそうだ。それにしても何故(特に)欧米にはAF好きが多いのか。(DVDはたぶん修正版)
ワイルドシングス エロティック・バージョン [DVD]
本DVD“エロティック・バージョン”との事ですが、過度の期待は禁物です。数年前に地上波で放映した内容を、チョッとなぞった程度の追加です。マット・ディロン宅でネーブ・キャンベルとデニース・リチャーズが3Pするシーン、とプールサイドで2人がレズってるシーンくらいで時間にしたら1〜2分程度の上乗せです。(まあ、元々ポルノ映画じゃないですからね^^・・)
アメリカのハイスクールで先生にレイプされたと訴える生徒と、いやそんな事してないと突っぱねる担任教師、前半はそんな学園を舞台とした法廷闘争に終始していく。ああ何だ、御座なりな裁判モノか・・・と適当に観ていると、後半の怒涛の展開に圧倒される。二転三転、最後まで結果が読みきれない、そう最後の最後、エンディングスクロールの最後まで読みきれないんです。兎に角エロ抜きにしても、相当面白いシナリオですのでサスペンス好きには絶対オススメの1枚です!観終わったあとはあなたも妙な納得感と満足感に浸れるハズです。未視聴に方は是非どうぞ!!
バトル・オブ・ブリテン―イギリスを守った空の決戦 (新潮文庫)
バトル・オブ・ブリテン…英国本土防空戦については、本書以前にも多数の書籍が出版されたが、使用された機材やシステムの生まれた背景を知るには、一部マニア向けの専門書を読むしかなかった。本書は限られた紙面を最大限駆使し、そうした背景事情を第一次大戦まで遡り、総合的に扱ったものである。
本書で特筆すべきことのひとつは、和訳の文庫本としては驚異的なほどの分量で、統計資料や図説、証言集などを盛り込んだことである。文庫本で省略されがちなこれらの「付録」が収録されたことで、遠い異国の地の闘いを理解する手助けになっていることは高く評価されるべきだろう。
もうひとつ、当時の戦闘機軍団司令官ダウディング大将について、長所も短所もひっくるめて評価を下していることも、特筆すべきことだろう。彼の退役に関する議論について、「何度も定年延長しているうえ、激戦で過労だった」として、首脳部との対立を主因と見る突然罷免説を退けているが、司令官の過労は他の書籍でも指摘されており、共著者の採った立場は概ね正しいと思われる。
そして、防空システムや補給・修理の問題について、空戦それ自体よりも多くを割いていることは、本書の性格を最も良く反映するとともに、防空戦の難しさを示すものである。限られたリソースを有効に使うという命題は、過去そして現代の日本の防空戦略における命題でもあり、決して他人事ではないのである。
名機スピットファイアほど目立たなかったものの英国本土防空を支え続けたハリケーンと同じく、本書もまた、派手さこそないが芯の通った傑作といえるだろう。