越後つついし親不知 [DVD]
この映画の最初の出会いは劇場での予告編。ヒロインが泥田に頭を押さえつけられているシーンが子供心に妙に残っていました。これは伊助に強姦されたシーンと混同していたのですが、亭主に殺されるシーンでした。とにかく一切ヒロインへの思い入れのないドライな描写は時として辛くなるのですが、人の意識の低さを突いた問題作です。当時、東映が佐久間良子、大映が若尾文子をたてて水上勉の小説を盛んに映画化していた時期の1本です。田坂具隆監督の情感溢れる演出とは対極をなす今井正監督の演出は厳しさを感じさせます。
美空ひばりトリビュート
谷村新司 さだまさし 南こうせつ アンリ 杏子 宇崎竜童 泉谷しげる などの大物がひばりを歌う。篠原ともえのお祭りマンボがいい。さいごは全員で「川の流れのように」を。本人の声も入ってくるこの名曲はさすがになんどでも聞いていたくなった。本物もいいがこういうレアなトリビュートももっていたい。
不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))
著者の小説は結構読んでましたが、本作はドラマを見て興味を持ち読みました。
1巻の内容は昭和20年〜31年までの期間で、8割がたがシベリアの抑留生活です。過酷という言葉でも表現しきれない凄まじい描写があります。
ドラマでは壱岐が部下に向かって
「極北の流刑地で囚人番号を捺され、地下数十メートルの暗黒の坑内で鶴嘴を持ち、11年間にわたって重労働を課せられた」
というセリフがありますが、1巻の内容はまさにこれです。
主人公壱岐の視点で描かれているのでシベリア以外の日本の政治動向などは一切情報がありません。なので抑留生活がなぜ終わったかという
点については曖昧です。
作者の描く人間ドラマは時代を超えた普遍性があり、エンターテイメントとしても十分面白いし、歴史を知るという点でも知識欲を満たしてくれます。自分もまさか30年も前に書かれた小説にこんなにはまるとは思いませんでした。
蛇足ですが1巻で登場する主要人物のモデルを紹介しておきます。
壱岐正 →瀬島龍三
大門一三社長 →越後正一
里井専務 →中村貞夫
秋津中将 →草場辰巳
谷川報道部長 →長谷川宇一
竹村参謀副長 →松村知勝
実名登場
山田総司令官
秦参謀長
梅津総参謀長ほか極東国際軍事裁判の被告全員
カバーズ3 ~Roots of JERO~
演歌や歌謡曲の名曲を今風にアレンジした「カバーズ」シリーズの第3段。〜ルーツ・オブ・ジェロ〜と副題が付いている通り、ジェロさんが演歌歌手になるきっかけになった曲を集めています。
ジェロさんの魅力は、言葉を丁寧に発音するので歌詞を見なくても聞き取れる所と、中低音の優しい声と、やわらかい歌い方だと思います。ずっと聴いていても飽きないので、CDをリピートにしてかけたまま、気が付くと何時間もたっている事があります。
今回の収録曲は、昔から歌いこんだ思い入れがあるものばかりからか、いつにも増して丁寧に聞こえるというか、心にしみました。どの曲も私の好みにはまりましたが、特に「越後獅子の唄」がアレンジも良く全体的に良い仕上がりになっていると思います。次いで「契り」「アメリカ橋」が良いです。それから「津軽恋女」の「♪降りつもる雪 雪 また雪よ〜」の早くなる所は、よく口が回るなぁと、さすが「海雪」のサビを歌いこなしただけあると思いました。
以上、私なりの感想です。
【曲情報】( )はオリジナル歌手名。
■越後獅子の唄(美空ひばりさん)・・・5歳の時に初めて覚えた演歌。ジェロさんの原点。
■津軽平野(千昌夫さん)・・・ジェロさんが吹き込んで送った歌の中でお母様が誉めてくれた。
■アメリカ橋(山川豊さん)・・・アマチュア時代にカラオケ大会でよく歌った歌。
■契り(五木ひろしさん)・・・初めて聴いたときに感動したという、ジェロさんが尊敬する五木ひろしさんの歌。
■夜桜お七(坂本冬美さん)・・・アメリカにいる時から大ファンの坂本冬美さんの歌。「NHKのど自慢」に出場。
■津軽恋女(新沼謙治さん)・・・アマチュア時代にカラオケ大会で歌った歌。デビューのきっかけとなった。
■J(イ・ソンヒさん 門倉有希さん)・・・日本語が分からないお祖父様が好きだった歌。