ソウルズ・エッジ
ニューオーリンズのベテランギタリストの1995年作品。
この頃バンドリーダーとしてもっぱら行動を共にしていた元ミーターズのジョージ・ポーター・Jrがプロデュースで、セカンドラインファンク、ブルース、ゴスペル、ソウルのエッセンスをちりばめて彼の地の伝説的重鎮的存在が奏でる・・・と書くと格好良さそうなんだが、そこは彼ならではの素っ頓狂な甲高いヴォーカルに、変な奏法だが超絶テクの個性的すぎるギターでなんとも痛快な仕上がりになっている。加えて5,6,14曲目などのまろやかな味わいも素晴らしい。
ブラックトップレーベルでの過去2作品に比べるとブルース色が薄れ、ニューオーリンズらしさが前面に出ていて私好みだし、ギターやバンドの音もいいし、メローなバラードと歯切れの良いナンバーのバランスなども実は絶妙で、最高傑作と言い切りたい。
一応ブルースマンとされることが多いが、人間ジュークボックスと呼ばれる何でも屋だし、初めて聞く方は少々困惑されるかもしれないが、ニューオーリンズにあっても個性派で鳴らすボーダーレスな感性の持ち主のファンキーミュージックとして聞けば最高に楽しめるはずだ。
ザ・ウェイ・イット・イズ
残念ながら故人となってしまったが、ニューオーリンズが産んだ不世出の天才ギタリストの、極上アルバム。この盲目の天才ギタリストの弾く音は、しみじみと温かい(ヴォーカルも)。Jon Clearyのピアノやハモンドもいい。野性的なものが多いblues/new orleans系のアルバムの中では、とても洗練された品のいいサウンド、品のいいアルバムだと思う。エレキ・ギターの名作を挙げるとすれば、外せないアルバムだと思う(アコースティックも弾いているが)。
ジャズ、ラテン、ファンク、ロック&ポップ、ブルーズ、といった幅広いジャンルの曲が一枚のアルバムに凝縮されているのも魅力。
特に私は、同じくNew Orleansの天才ギタリストにして名ソングライターだったEarl King作のポップな「A Mother's Love」、陽気で楽しい自作曲の「Cubano Mambo」、ボーナストラックのHarold Adamson/Jimmy McHugh作のしっとりとした「You're A Sweetheart」には聞き惚れる。一枚聞き終える頃には幸せな気分に浸れる。