新編 エンタテインメントの罠―アメリカ映画・音楽・演劇ビジネスと契約マニュアル
エンタメビジネスの仕組みの教科書的な説明を中心に、実際に起こった、もしくは起こりうるトラブルの例が言及されています。マニュアルなどと言っても、こんな本でエンタメの法務処理や契約作成ができるわけがありません。まあ、契約構造をけっこう細かく教えてくれる、という意味では、おもしろく読める教科書です。
しかし、それにしても、小見出しが明朝の等サイズの半端な別フォント(信じられない!)、本文のテクニカルタームの初出にゴシックの強調がごくまばらに使われており、図表も行間や文字サイズがバラバラ。いまどきにしては、あまりの字組のヘタさかげんに驚かされます。タイトルもあざといし。とにかく本としての編集センスが悪いです。
シューマン:歌曲集~くるみの木
リート専門歌手とは異なった朗々とした声だが、表現の細やかさも抜かりない。シューマンの歌曲というのは、シューベルトに比べると、どことなく掴みどころがないような印象を受けるが、ターフェルはその美声と明朗な解釈で、聴き手をしっかりと導いてくれる。深い演奏ではあるが、思わせぶりな暗さや深刻さはなく、虚飾を取り払いつつも歌心に満ちた素晴らしい演奏だ。
おとこのこ×おとこのこ (ダイヤモンドコミックス)
井ノ本リカ子+BENNY'Sによる、ショタ薔薇コラボ本。
BENNY'Sサイドは、巻頭カラー4頁含む、女装少年ラブなキュンキュン系『看板息子』から描き下ろし8頁ショートの擬人化された鳩の求愛な、もう笑い転げまくりの『レース鳩あつし』までの6編。
テンポのよいエロコメ系で、エロ可愛くて、ちょっぴりオチャメで、不謹慎で、わんぱくで、オイタなショタ空間。
一方、井ノ本リカ子サイドは、描き下ろし6頁ショートの『きもちいい』からカラー4頁ショートの『いくじなし』までの6編で、直接的性愛描写はほんの僅かで、ほとんど少女コミックかティーンズ系かというエロ描写で、ハードコアなショタエロを期待された方にはまったくお薦めできませんが、ひとコマひとコマに余すところ無く詰め込まれた思いの丈は、キュンとズキとウルとドキを大量に撒き散らし、想いがはじけて恋になる瞬間をミゴトなまでに表現。
例えがヘンテコすぎて申し訳ないけど『内田善美』の『空の色ににている』とか『大島弓子』の『バナナブレッドのプディング』をまた読みたくなってしまいました。
まったく異なるタイプの作風をもつ作家様二人の本をコラボしちゃったこと自体が罪。
二人とも大好きなら激お薦め。
どちらか一方が苦手なら評価を半分に落としてください。
いつの日かおふたりの痴態に満ちた自称伝的百合エロ漫画が拝めれば最高。
この本は『大人向け』マーク付きですが、エロとはこの世でもっとも美しいもののひとつだと思ってますので、ぶっちゃけ思春期な貴殿貴女にもお勧めしたい想いでいっぱい。
そもそもエロースは、愛の神であるとともに戦いの神であり、えっちは遺伝子に組み込まれた本能が導く至高の行為で、そして同性愛は遺伝子の命令に背ける人間という種のみに許された至高の純愛の一形態であると私はつくづく思ってます。
愛が先か性行為が先かを語るのは、鶏と卵を語るに等し。