Beauty J-POP-EMI EDITION-
コロムビア、BMG、ビクター、東芝の4社合同でリリースされる「女性」というユルーイくくりで集めた企画CD。
他社のは、玉石混淆とも言えない作りですが、この東芝版は、有名曲とコンピだから聞いて欲しい、という曲をうまくバランスよく織り交ぜているような気がします。特に、後半の具島直子さんは実力派として今でも好きな人が多いし、フリーボも女性ボーカルのロックバンドとして貴重な存在でした。前半のパティ、麻生小百合さんもセレクトに努力がみられます。どうせならそういう曲ばかりでもいいかな、と思いました。
「探偵物語」「愛情物語」なんてこれで聞きたい、という人おそらくほとんどいませんから。
真音〈3〉 (リンクスロマンス)
シリーズ最終巻。口では嫌がるものの、暴力団幹部・富樫にひかれている自分に言い訳がたたないのを感じる進藤。そしてこの物語のクライマックスと言える事件。富樫の片腕であり、進藤も信頼する槙原の部下が射殺される。報復にはやる槙原、それを止めることを躊躇する富樫……。
その時、進藤がとった言動が、まさにこの三人の今後を決定づけたのでした。一生、アタマが上がらんよねぇ、富樫も槙原も(笑)
案外短気な槙原、意外に優柔不断な富樫。見た目と裏腹なヤクザ二人を向こうに回し、やっぱり聡明で硬質な色気ある進藤。キャラ設定、最高。
やや後半(おそらく加筆部分?)事件の羅列で中弛みになりかけ…たのですが、それも「ただ富樫さんに会いたいと思っただけです」という進藤の電話ひとつで、仕事ほっぽって駆けつけた上がっついて襲い掛かる富樫のエピソードにニヤニヤ(笑)
一見地味でハードなお話ながら、登場人物の魅力・構成の確かさで読ませる長編。楽しかったです。
Otome continue Vol.4
この雑誌のコアなファンには申し訳ありませんが、木皿泉さんの対談を読むためだけに購入しました。
対談相手の羽海野チカさんについては名前を存じ上げているだけです(これからしばらくして、『ハチミツとクローバー』を読みました)。
話の中心は、木皿さんがこれまでに書いてきたドラマです。近作の『Q10』に関する話が多いですが、『すいか』などほかのドラマのことにも触れられています。ドラマのプロデューサーとのやり取りなどについても書かれており、ドラマの脚本がどのように作られていくかが分かります。『すいか』と以降の作品にある微妙な「差」を理解するのにも役立ちます。
なお、ご存知の方もおられるでしょうが、木皿さんは夫婦二人のペンネームです。この対談では、それぞれ仲間内で呼ばれるニックネームでお話しをされていますので、実際は鼎談になっています。
追記
対談だけを読んで上記のレビューを書いたのですが、対談とは別にプロデューサーの河野英裕さんのインタビューも掲載されています。お二人(三人)が、『すいか』以降、ドラマを作るためにいかに苦闘してきたのかがよく分かります。また、プロデューサー主導によるドラマ制作ばかりになる弊害に関する発言には本当に共感しました。