ブロンコ・ビリー [DVD]
観終わっていい気分になる映画です。
古いタイプの西部の男!
仲間を思い、情に厚い。
いい兄貴って感じですね。
ダーティーハリーも良いけどブロンコビリーもシリーズにしてほしかった。
西部劇は苦手って人にももちろんお勧めです。
ブロンコ・ビリー [DVD]
今や、押しも押されぬ、ハリウッドを代表する偉大なフィルム・メーカーとなったクリント・イーストウッド、アメリカ本国では、92年の「許されざる者」以降、その名声を確立させたと言われており、それ以前に彼が撮ってきた数多くの映画の殆どは、評論家筋からは、冷笑、黙殺、酷評といった過小評価を受けてきた感があるが、実は、それらの映画たちの多くにこそ、極めてイーストウッド的な映画愛に満ちた心躍る幸福なムードが脈動していると思う。古き良き西部に憧れ、靴のセールスマンから転身して!(笑)、ドサ廻りの見せ物ショー的な「ワイルド・ウエスト・ショー」の座長を演じる今作も、過剰なまでのアナクロニズムへの傾倒と、夢とロマンを追い続けるその男気が、広大な西部の青空の如く、おおらかに描かれる。インディアン、ベトナム脱走兵、黒人ら、社会の片隅でひっそりと生活することを余儀なくされた者からなる座員たちの明るさと仲間意識の素晴らしさ、そして、彼らの面倒を見るイーストウッドの眼差しの暖かさが、心地良い。当時のイーストウッドの愛人であった、あの高慢なソンドラ・ロックでさえ、一座の機微に触れ、魅力的な女性になっていく。そして、この映画に流れるユーモラスなタッチも特筆ものだ。劇中、観客の火遊びで、見せ物小屋のテントが焼失してしまい、悲嘆に暮れる彼らが、窮地の中思い立ったのが、何と、列車強盗!(笑)。三角布で覆面し、馬にまたがり、銃で列車を襲うシーンは、ドン・キホーテ的ながらも、その心意気に、心打たれる。