墓場鬼太郎 第四集 (初回限定生産版) [DVD]
鬼太郎が妖怪退治に奮闘する二つのエピソード、第9話「霧の中のジョニー」、第10話「ブリガドーン」が第四集の最大の特徴だと思う。
特に時の池垣首相(!)からの依頼で、氏を吸血鬼ジョニーから守る護衛役を引き受ける9話は、妖怪ポストに投函された子供たちのSOSに答えるゲゲゲの鬼太郎を彷彿とさせる。
「墓場鬼太郎」としては末期のこれらの作品群に、のちの「ゲゲゲ」と似通ったプロットがかいま見られることに、ものすごく興味を覚える。
とはいってもあくまで「墓場」は「墓場」。けなげに妖怪退治を試みる鬼太郎ではあるが、相変わらず、オツムも腕力(妖力?)もからっきし弱く、いずれも失敗に終わっている。
只誰が何と言おうが、私にとっては、チャンチャンコや下駄で、バッタバッタと妖怪をなぎ倒すゲゲゲの鬼太郎よりも、あっけなくジョニーに溶かされたり、ガモツ博士に絞殺されかかる、頼りない墓場鬼太郎のほうが魅力的だ。(いずれも鬼太郎の危機を救い、妖怪を倒したのは目玉のおやじである。)
第11話「アホな男」は怪談ではあるが、実は不老不死・人間の物欲・現世と黄泉等をテーマとした、最終話にふさわしいメッセージ性の高いストーリーとなっている。但し決して偽善的でも押しつけがましくもないところが、水木しげるさんらしく好感が持てる。
GOLDEN☆BEST Early Days Selection
「音楽は、自分の思いを表現する手段だ」という創作家としての基本的な理念を、ここまで明確に具体化している人は少ない。家族について、日々の生活について、日本の国について、結婚について、何でも自分の感じたこと思うことを、自由に歌にして表現することの素晴らしさを、彼は教えてくれる。
これだけ内容の濃い詞を、二十歳そこそこの若者が書いたとは、とても信じられない。テレビをつければ頻繁に耳にする「自分だけのストーリー」などと言う言葉に、象徴されるワンパターンで、没個性的な歌に、私は、うんざりしている。きっと泉谷氏も「てめぇーら、もっと他に歌にするこたぁ、ねぇーのかよぉーっ」と思っているのに違いない。
名曲ばかりなのだが私的には、「Dのロック」が特に好きだ。
詞と曲、アレンジ、唱法、彼のキャラ、それら全部が見事にマッチしたこの曲の迫力は圧巻だ。
墓場鬼太郎 第二集 (初回限定生産版) [DVD]
ゲゲゲの鬼太郎とは違い,登場する人物たちは,独特の雰囲気を持っています。角川文庫から出ている『貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎』を読むとわかるのですが,この初期の物語の主人公は,鬼太郎ではなく,ねずみ男であろうと思います。また,ねずみ男も,鬼太郎も,目玉のおやじも,哲学的な発言が多々見られます。
第3話の吸血木,第4話,第5話の寝子さん,ニセ鬼太郎の物語の発端は,すべてねずみ男です。そして,そのねずみ男の行動は,あまり許されたものではありません。そのねずみ男の人間臭い行動に対して,鬼太郎も目玉のおやじも無力です。ただ,物語が流れていくだけです。
初期の作品群は,後のテレビシリーズの鬼太郎とは,全く違います。初期の作品には,絶対的な正義も,絶対的な悪も出てきません。だからといって逆に,この初期作品には,人間の悪が描かれているわけでもない不思議な作品です。
現代のアニメについていけない自分は,このような作品をみると,少しだけほっとします。
hon-nin vol.03
とわずがたりがこんなにも濃かった麻生久美子さん、そのhon-ninが引き出されているのは、吉田豪さんの手腕によるものでしょう。
新たに連載のはじまった「青春小説」銀杏の峯田さん(なぜか青春時代を回顧する男子小説は、クドカン氏然り、峯田氏然り、東北のご出身)、探偵と作家の両立なんてかっこよすぎる、でも本当なのかしら、とステキに想像してしまう古田日出男さんのハンサムな世界、「サブカルチャーの波が来たとき、たまたまのることができた」などと謙遜してみせながらも、実は非常にクールにお笑いも映画も俳優との距離も語ってみせる、たけしさんの「今」と、懐かしい賑やかさを思い出させる「オールナイトニッポン傑作選」。
本当はよみよま(モヨ子さん)、なめ子さん、ホンタニちゃん(連載一回延びました)、「自己誇示欲」という新たな境地で自己解体してみせるうさぎさんなど、女性陣に圧倒される毎号なのですが、今回ばかりは男性陣のhon-ninっぷりにやられました。
墓場鬼太郎 BOX 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
過去に発売されていた同作品(2008年発売・全4巻)のblu-ray版です。
DVDは既に持っており、このblu-rayは2枚組みにも関わらず凄い価格設定なので買うのを悩みましたが、
それ以上にこの作品に対する「大好き!」な気持ちが勝って購入しました。
この「墓場鬼太郎」を初めて観たとき、
それまでのイメージにあった悪い妖怪を退治するヒーロー的な鬼太郎ではなく、
ダークで人間臭い鬼太郎にビックリしました。
紙芝居がそのまま動いているような雰囲気タップリな絵柄も素晴らしいです。
話の内容は怪奇話というか怪異談で、TVで拝見する水木しげる先生の人間性そのままにユーモラスな部分が出ていたり、
原作が描かれた当時(昭和30年代)の社会風刺的な部分が出ていたりして、
大人の方にこそ楽しんでもらえるアニメだと思います。
■■■以下はソフトに関するレビューです■■■
しっかりとした作りの紙のBOXに通常の青のblu-rayプラケースが2枚。
第1集に6話収録、第2集に5話+映像特典を収録。
ジャケットはDVD1巻と4巻のものを加工流用、ディスクレーベル面のイラストは書き下ろし。
映像特典に関してはDVDにはあった絵コンテギャラリーが省かれてしまっており、
blu-ray BOXのTV−SPOTが追加されたのみで、あとは同内容。
ブックレットはDVDの再編集版。
期待した画質ですが本編は元々画面全体に和紙のようなフィルタが掛かっており、
所々故意にボカした処理がされているので、格段に画質がUPしたとは感じ難いですが、
発色は良くなっているのはわかりました。
フィルタ加工がされていないOP・EDは綺麗です。
特にEDは良く、バックに次回の予告的にシナリオの一部が文字で描かれていくのですが、
DVDではよく読めなかった部分が、このblu-rayではキチンと読むことができました。
スタッフテロップは目がチカチカする程ハッキリクッキリ。
音声はDVD同等の2.0ch (stereo) リニア PCM。
封入特典のストラップ、メンコやシールは全く必要ないですし、嬉しくないですね(笑)
その分、少しでも価格を下げて欲しかったです。
あのDVDの外箱の雰囲気や価格や画質等含めてトータル的に考えると、DVDで十分だったかな・・・という感じです。
せっかくのblu-ray化なので、刺激の強いシーンに修正を入れてあるTV放送版も収録して欲しかった。
価格からするこのソフトの満足度は個人的には少し低いです。