ジャン・クリストフ 1 改版 (岩波文庫 赤 555-1)
「ジャン・クリストフ」に最初に出会ったのは高校生の時でした。それからくり返し読んでます。
皆さんは「英雄」とはどんな人物をイメージされているでしょうか?ナポレオンのような人でしょうか?大成功をおさめ、大金持ちになったような人でしょうか?
ロマンロランは、力や思想によって人を支配せしめるような人を「英雄」とはみなしていません。ロマンロランは「心情において人を支配せしめることができる人こそが真の英雄である。」とその緒言の中で言っております。その理想像としてベートーベンがある、とロマンロランは言っております。そんなベートーベン的な要素を兼ね備えた英雄像を彼はジャン・クリストフとして完成させたのだと思います。そして、それは全ての人間の中にある理想なのです。それゆえ、人はこのジャン・クリストフを読んだ時、その時代、年齢を問わず、いつもジャン・クリストフとともに生きることができるのです。
皆さんも本書の中でジャン・クリストフと出会ってください。
長篇ですが、高校生なら十分読めると思います。
レ・ミゼラブル 全4冊 (岩波文庫)
真の人間としての歩むべき道とは何か。ジャン ヴァルジャンの生き様にこの答えを見出す事ができる。つまり真の幸福とはあくまでも名も無き民衆に尽くしていく生き方であると。またどの時代においても苦しむのは常に名も無き民衆であるということが、ユゴーの文章力、そしてジャン ヴァルジャンの生き様から感じ取る事ができる。この本を読んで一人の偉大なる人生、生き様を、そして激動の時代を疑似体験することができた。本当にこの本を読んでよかったです。是非万人に読んでほしい名著です。
ジャン・クリストフ 3 改訂 (岩波文庫 赤 555-3)
正確には私が読んだのは、家の片隅に埃まみれになっていた筑摩書房出版の本なのですが、訳者が同じ豊島氏であるため、ほぼ同じ内容であると信じてレビューを書かせてもらいます。
初めてこの本を読んだのは高校2年の頃で、途中何度も挫折しながら、夏休み丸々かけてなんとか読み終えることができました。
正直、あまり興味のない細かな描写に戸惑ったり、慣れない登場人物の名前について行けなくなることありました。しかし、あれから10年以上経ちますが、これ以上の本に出会ったことがありません。
おおよそ人生で直面するありとあらゆる出来事が凝縮しているので、人生の岐路に立つ度に、該当する個所をつまみ読みし、参考にしてきました。個人的には、無理をしてでも是非若い人に読んでもらいたい?品です。