民法1 第4版―総則・物権総論
新司法試験受験生としての立場からコメントさせて頂きます。
《特徴》
・初学者を意識して、分かり易い記述になっている。
・事例が豊富で、イメージが湧きやすい。
・分かり易さを保ちながらも、これまでの新司法試験に出たような論点はしっかりと網羅されている。
・改正された法人の規定に関する部分は必読(と実務家教員が言ってました)。
《注意点》
・通説、判例とは異なる自説が多いが、これだけ読んでいると、それに気付きにくい。
・これを読んだからといって論文が書けるようになるわけではない。
あまりにも有名な本ですね。
賛否両論ありますが、分かり易い内田民法シリーズは、個人的には一番好きな基本書です。
ただ、国家試験受験生は、論文問題集などで、通説・判例の論証を押さえることが必要になってくるかもしれません。
試験に受かる超効率勉強法―司法試験の合格請負人井藤公量の
実は私は司法試験なんかにまったく興味のないネットワークエンジニアです。
テクニカルエンジニア試験という、司法試験と比べれば楽な試験ですが、やはり論述がある試験を受験しようと学習しながら苦悩していたところでこの本を読みました。
まさに光明。
筆者の主張する「試験=暗記」、「考えることは時間の無駄」という主張は表面だけ取ると非常に過激ではありますが、本書を読み込んでいくと、「基礎的な知識がない状態でいくら考えても何も出てこない」「応用問題とは基礎知識の組み合わせ方の技術である」という意味になります。
基礎知識が暗記であることに異論がある人はいないでしょう。
また、勉強をしているうちに思うような点数が取れず、考えても正解となる記述に結びつかず、同じ解答の問題が二度と出ることのない過去問を解くことに意味が見出せず、「無限に広がる灼熱のタクラマカン砂漠をトボトボ歩くラクダのような気持ち」で、「いったい何をすればいいのか見えなく」なって「何かとんでもなく高等な学問を習得しなければならないような気が」しているような人は司法試験を目指す人でなくても一読の価値があると思います。
新司法試験論文合格答案再現集上位者10人全科目・全答案〈平成22年〉
私がチェックしたかぎり、選択科目については、倒産法と知財法がほとんど。
労働法に関しては、私の見間違いでなければ、わずか1人分だけでした。
ほか、経済法、租税法、国際法なんかは0通です。
というわけで、選択科目に関しては相当偏ってます。
知財にそんなに割くなら、労働法選択者の上位合格者を選んで載せてもよかったと、個人的には思います。
ちなみに、私は経済法選択で、毎年1人分は掲載されてただけに、残念なところです。
最近、辰巳の答案回収に偏りが生じているというウワサもまんざらではないかもしれません。
というわけで、ネットでご注文される方は、いま一度自分の目で確かめてから購入されることを勧めます。
また、ハイローヤー2月号で毎年恒例の比較答案が掲載されるので、そちらを買うのもありかもしれません。
私的には再現答案をたくさん読むより、実際に起案してゼミなりでじっくり検討する作業の方が圧倒的に有意義に感じるので、
手頃なハイローヤーで済ませています。