毛(ヘア)の商人
「高須基仁」という名前に馴染みがなくても、「ヘアヌードの仕掛け人」などという名称で聞くとピンとくる方も多いだろう。なにしろそんな呼称を持つ男はひとりしかいない。
目次をダララッと見てもわかるように、ネタが多い、充実、濃い、どれも、ワイドショーなんかで見た話題、菅野美穂のヌードも、叶姉妹との悶着も、野村サッチーのアレも、すべてこの筆者、高須基仁氏の絡んだもの。そのくらい氏は「精力的」である。我々はこの本を読みながら、氏の行動に振り回され、そして、興奮する。
数々の騒動、数々の人間ドラマ、数々のヘア、議論は置いといて、ヘアヌードを一般的に、我々に届けてくれる氏に感謝をし、そして、氏の「怪しさ」を、めいっぱい楽しもうじゃないか。
そして読み終わったあとに気付く、カバーの絵、女性の下半身だと思われる白い影、股間の部分にぽっかりと開く逆三角の穴、そこから見えるのは、こ、これは………
ゴールデン☆ベスト 小柳ルミ子 シングル・コレクション
僕は、小柳ルミ子さんのファンというほどのこともないのですが、ちょっと
気になって、このアルバムを注文しました。どの曲も何故か聴いたことがあ
るような懐かしさ。演歌でもなく、ポップスでもない。正統な?歌謡曲ばかり
です。聴いていて決して聴き疲れしないというのは、曲を力まず自然な情感
を込めてさりげなく歌い上げられているからではないかと思います。こんな
ことができる小柳ルミ子さんという歌手の非凡さにあらためて気付かされま
した。どの曲も聴いてみるとみんな知っている曲ばかりだったことも不思議
な感じです。どの曲も何処から知らぬ間に耳にしていたのでしょう。このア
ルバムに収められた曲を聴いているとどこか地方の街並みのようなものが目
に浮かんできたり、日本の原風景や日本人のもつ伝統的な情感のようなもの
がじんわりと伝わってくるようで何かとても懐かしい気持ちにさせられまし
た。さすがは宝塚出身!この非凡な小柳ルミ子さんには脱帽です。
GOLDEN☆BEST/天地真理 コンプリート・シングル・コレクション・アンド・モア
天地真理の「恋する夏の日」がヒットしている頃、私の友人が、ふとこう呟いたのをはっきり覚えている。
「今の天地真理の曲には夢がない、勢いだけで歌っている。彼女の人気はすぐ落ちるだろう」。
当時、人気絶頂だっただけにその発言に私は信じがたいものを感じたが、まさにその発言どおり、その後2年足らずで彼女は過去の人となってしまった。
確かに、このアルバムで振り返るとデビュー曲「水色の恋」から「若葉のささやき」までの歌いやすい‘白雪姫’路線に対し、アップテンポの「恋する夏の日」等に感じられた、やや歌い辛いところに従来からのファンはとまどいを感じたのかもしれない。
実は私は72年頃までの天地真理を知らない、その後に聞いた一連のヒット曲を通じてアイドル天地真理を知ることになったのだが、冒頭の友人の言葉どおり、どうしても初期のナンバーに魅力を感じる。特に「小さな恋」や「ひとりじゃないの」などには彼女でなければ決して表現できない‘恋の世界’がある。また、「水色の恋」とともに、そのB面「涙から明日へ」(未収録)も印象深い。これらの曲を耳にするたびに十代の思い出が美化され、心の中が洗われる思いがする。短く鮮やかに過ぎ去った彼女の面影は決して忘れることはないだろう。
自身の本の名「スリムになるってステキなことネ」のポリシーは一体どこに行ってしまったのだろうか。