一勝九敗 (新潮文庫)
私のユニクロに対するイメージは、特別良くもないけど悪くも無い。
フリースで爆発して、少し落ち込んで、消えずにまたジワジワと
基盤を固めているという印象を受けていた。
そんな感じで特に注視してない一般消費者の視点であったが
本書を読んで少しユニクロを見直した。
何故かと言うと、先にも書いた通り、業績のアップダウンが激しい会社なので
過激な表現で言えば”時流を掴んだ水物企業”という印象をうけていたからだ。
しかし本書を読んで実に堅実かつ時流に流されないポリシーを持った企業という事が分かった。
日本の中では希少な、勇気を持った健全な企業だ。
また経営者として多大な成功をした筆者に対しても、実戦叩き上げの商売人という
バックボーンがより親近感を抱かせる。
柳井さん。この本もマーケティングの一環じゃないの?(笑)
ソーシャル・ビジネス革命―世界の課題を解決する新たな経済システム
貧困者や途上国にとって、寄付や援助などが一時的には助けにはなっても、それが恒常的に続けられた場合、むしろ発展の足枷となるといった話をよく聞く。それは、寄付や援助に依存してしまい、自立が促されないためである。本書は、そうした課題を解決する「ソーシャル・ビジネス」という考え方を示している。利益ゼロ、配当ゼロで、貧困を救う社会目的のためのビジネスの仕組みである。貧困者は、そのビジネスから提供されるものやサービスに対する対価を支払う必要がある。その対価は、提供側の運転資金や新たな社会目的のための投資に循環される。本書の中では、そうしたビジネスが貧困を救い、持続可能な社会を作りつつあるケースが具体的に紹介されている。
著者自身も言っているが、ソーシャル・ビジネスは利益追求型のビジネスに置き換わるものではない。むしろ、利益追求型のビジネスがある中で、貧富の格差を是正するための適切な手段であるという気がする。利益追求型のビジネスがあるからこそ、経済、社会、テクノロジーの発展があるのだろうし、利益追求の結果として存在する金持ちや富裕国がなければ、ソーシャル・ビジネスへの投資者はいないだろう。本書の中で書かれているソーシャル・ビジネスの株式市場は、従来の寄付や援助にかわり、富める者の資金を再配分する適切な場になるのではないだろうか。
従来型ビジネスとソーシャル・ビジネスが互いに補完しあって、持続可能な社会を形成していく。そんな近未来が本書を通して見えてくる。
この国を出よ
いつもは購入の際も書店で必ず表紙を見たりしてから決めているのですが
今回は珍しく、ランキングで見ただけで購入。
結構上位で、しかも頻繁に上がったり下がったりしていて気になった
有名なお二人の本を読みました。
☆みつばさんが「お2人のそれと値段を考慮すれば価値ある一冊」と
おっしゃっていることに同感です。それから大前氏がここで発言していることの
基底にある考え方が目新しいか、というとそうではないかもしれませんが、
柳井氏の発言と随時対比させて読むことで、1つの問題に2方向から光を当てている
ようで、問題が理解しやすかったという点では、収録されている意味があると思います。
また、柳井氏が初めて政治について語っていることには本当に価値があると思います。
政治について明確に語るには、自分がどういう立場にいるか、というところで
ブレがあっては語れないところですから。
より個人的には、英語を改めて勉強しなくては、と
自分のうんと重い腰を上げさせてくれた一冊です。