経済学とファイナンス
はしがきに、「基本テキスト」「初級書」と書かれ、事実、証券アナリスト試験のテキストであるとのこと。しかし、全くの初心者、これから経済学や金融、企業財務の勉強を始めようとする初心者が、本書で学ぼうと思っても、歯が立たないのではないか、と思います。
本書は約600ページの大作ですが、内容は、マクロ、金融(企業財務)、国際経済学の3本立て。例えばマクロは230ページが割かれていますが、定番中谷マクロの500ページの半分未満なわけです。
で、初心者に基本を懇切丁寧に説くという前提ではないようでして、一方で中谷マクロの終盤で論じられているような今日的(こんにちてき)トピックスが本書(「経済学とファイナンス」)のマクロ編で論じられていたりしています。
マクロ、金融、国際経済の基本を既に学んだ人が、これら3分野の密接な関係を学びつつ、かつ、2004年現在の課題・問題・トピックスを認識する、といった使い方に適しているのだと思います。
また、経済・ファンナンスの日本語専門用語を、脚注で英語表記をしていて、なかなかありがたいと思っております。
入門・国際経済学
現在、複雑な国際経済を独学で学ぶことは容易ではない。しかし、この『入門・国際経済学』は第一線で活躍する国際経済の専門家が国際経済学の基本をわかりやすく(それでいてくどくない)解説した好著である。これから国際経済を学ぼうとする人にとって、この本は確固たる道しるべの役割を果たしてくれるに違いない。