キル・ビル
ウータン・クラン~ノイ!~鬼警部アイアンサイド~梶芽衣子と、
徹頭徹尾デタラメな選曲がスゴイ!タランティーノ5年ぶりの新作のサントラです。
よくまあこんなマイナーなバカ選曲ができるもんだと、タランティーノのマニアぶりに脱帽ですよ。
個人的には「悲しき願い」が尾藤イサオじゃなくて、サンタ・エスメラルダなのが、若干手薄かなと。
でも鬼警部アイアンサイドのテーマが、日テレの「ウィークエンダー」のテーマでもあると知って選んでるとしたら、かなり恐るべし。
Kill Bill: Vol. 1
昔の隠れたヒット曲 マニアックな曲をうまく映画にマッチさせている。サウンドトラックを聴くだけで 映画のシーンがよみがえるほど。個人の好みは なんといっても サンタ・エスメラルダの曲に 思わずなつかしー。エンディングロールのド演歌にも びっくりしたが 不思議と映画に合っていて 最期まで聞き入っていました。
キル・ビル Vol.1【字幕版】 [VHS]
妊娠中に殺人集団 に頭を打たれ4年間植物人間状態だったユマ・サーマンはあるとき突然目覚め、、復讐を始める。タランティーノ監督が主演のユマサーマンの出産が終わり、体が戻るまでまって、撮影に入った事で有名な久々の作品ですね。タランティーノがほれ込んだ
ユマ はとっても魅力的です。しかしすごい立ち回り。素晴らしいですね。テンポといい、アニメが入って来るタイミングといい、音楽といい非常におもしろい作品です。半分日本的なこののりは、ちょっと古いですが、ブレーランナーの、あの日本の猥雑な描き方とちょっと似てますね。
ド演歌の挿入の仕方もツボにはまっていました。
このアニメチームも日本のチームで、この一作で昨年のデジタルメディアの賞をとりました。
わたしはイタリアあるいは、スペイン系の監督が好きなんですが、彼らは女性を描かせるとやっぱり抜群なんですね。
好きな監督のほとんどが、ラテン系なんだけど、このタランティーノはアメリカですねでもどこかラテンの香りがするんだけど、なぜかしらね。笑
タランティーノとユア・サーマン 見事な創造と申しておきましょう。
キル・ビル Vol.1 【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD]
主演女優さんはこれを「フェミニスト映画」のように語っているが、ならば、タランティーノ監督はワグナー並みのフェミニストということだろう。この映画の女性たちは人間ではない。神話の女戦士である。ワルキューレである。ヒロインはブリュンヒルデだ。ヒロインの父親格であり師匠であり恋人でもあるらしいビルがジジなのはワルキューレたちの父である北欧神話の主神ヴォータンがジジなのに似ている。タランティーノ監督がどこまで意図したのかは分からないが、もしかしたらば期せずして、原型的男女関係を再構築してしまった感じがして面白い。
よって、この映画はウマ・サーマンとダリル・ハンナが荘厳なまでの金髪のアマゾネスとして輝いていれば成功なのだ。実際、見事に輝いている。この四肢長くカッコイイ女優さんたちのアクションと激しい感情の吐露を見ているだけでワクワクする。見よ、日本刀片手にした彼女らがいかにカリスマ的で神秘的で美しいか、とタランティーノ監督は讃えたかったのではないかと思う。一緒に讃えられる観客には楽しいことこの上ない映画だが、ストーリー運びとかプロット積み上げの相乗効果とかとか気になってしまう方々には文句はあるだろう。
ちなみにダリル・ハンナはSF的容姿の美女で、ロマンチックコメディの「ガールフレンド」役で存在感の割に惜しい配役をされてきた女優さんだった。本作のエル・ドライヴァーで「これだ!」という使い方をされていて嬉しくなってしまった。ダリル・ハンナのエル・ドライヴァーは鼻血が出るほどカッコイイ。ところでヒロインとエル・ドライヴァーの因縁話でもって続編があるような話を最近耳にしたのだが、ダリル・ハンナは既に御歳五十で環境保護活動家と化しているはず。続編、出来るのか!?
TRIP for the FILMS ARTWORKS from”Shikoku” to ”The Magic Hour” featuring ”KILL BILL Vol.1”1998-2008
洋画、邦画、アニメ、ドラマの大ヒット作の美術監督を務めた方の仕事集です。
そのどれもが、「あの映画って背景がスゲーよね」、と言われる作品ばかり。「キルビル」も「イノセンス」も、アレもアレも…まさか、全て一人の人物が監督していたとは!!
内容は、写真資料や完成した映画セットに加えて、解説文や製作裏話が付く。写真集というよりは、「こうやって創りました」、という仕事集です。
しかしその写真資料は本当に美しい!美術、特に背景関係に興味がある方には、現在世界トップレベルの仕事っぷりは見応え充分でしょう!
解説文の方は製作当時の日記のような文体だが、「裸の男達が穴を掘る」話とか、製作裏話が面白い!
加えてこの方、詩人です。…なんか哀愁が漂ってます。
「映画のための偽りの祭りに誘われて、山の神は村に降りてきただろうか。」…って、か…かっこいい!