儲かる会社のモノづくり マーケティング 売るしくみ
TOC(制約理論)を工場、マーケティング、営業に応用するための手引き。だから、副題が「造って、創って、売る」なのだ。
ゴールドラット博士の「ザ・ゴール」の考え方を生産財の製造企業に当てはめて分かりやすく適用しているので、TOCを良く理解できると思う。また、岸良裕司氏の「全体最適の問題解決入門」のクラウドやUDEの考え方を使って、営業のアプローチを示している点も分かりやすい。
営業が売るのは自社の製品ではなくて、顧客の利益という考え方こそ、今求められているものではないだろうか。
雷桜 ブルーレイ [Blu-ray]
本作はおとぎ話(ファンタジー)です。それを成立させるには、ありえない『嘘』の部分以外のディテールをしっかりして、こんな物語りもあるかもしれないと思わせなきゃダメでしょう。まず大前提として、殿である斉道が、家臣もつけずに一人で山奥に入ることからクリアーしなきゃね。
それに脚本、演出以前にキャラクター造形が酷い。特に、時任三郎演じる育ての親のキャラ造形が酷い。暗殺のプロは「密命」ためには、実の娘だろうが切り棄てますよ。しかも相手は将軍の息子。生半可な暗殺ではないのに。彼が組織を裏切ってまで子供を生かし育てる動機が弱すぎる。
こうしたディティールが甘いから二人の置かれた厳しい設定が生かされず、あり得ない関係の恋愛劇が成立していない。
また、テーマが恋愛なのか親子関係なのか主従関係なのか、欲張りすぎてまとまりがない印象も受けます。
お屋敷で飼育されていた鷹の目から見た、山間の風景はスピードとその広がりの映像にはハッとさせられるものがあったけれど、雷桜の映像は美しいのは間違いないけれど、いかにもCGですと思わせるもので、花びらが散るシーンなんかやりすぎで、興ざめします。
殿様の子供時代のトラウマなんて、かつてのTV時代劇では決して描かれなかったことだし、原作小説はもっと掘り下げた二人の性格描写もあったかもしれませんが、そのあたりには迫り切れなかった感じ。二人の絆の象徴となるものも、どのポイントにしたいかハッキリしない。
ただ、蒼井優は、『天狗』と呼ばれるようなワイルドな役柄で頑張っていましたね。大声を張り上げるのもさることながら、馬の乗りこなしも上手かったです。
まぁ、蒼井優の熱演や、岡田将生のイケメンぶりは充分楽しめるので、ファンなら許せるでしょう。(笑)
SWITCH 25周年特別編集号 特集:井上雄彦
Switch,25年を記念した一冊. 主に,井上雄彦先生の,最後のマンガ展,仙台最終重版を特集. 最終となる仙台会場を歩いての,井上先生の感想が読めます. そして,最後のマンガ展,上野,熊本,大阪,仙台,それぞれの展示ポスターを収録. 仙台版の展示ポスターは,折りたたみ形式になっており,横長で,海を背景にした,少年の武蔵の迫力が圧巻な作品!! 最後のマンガ展と平行し,仙台で開催された,バガボンドのアシスタント体験が出来る,ワークショップの記録も掲載. 小中学生が描いた,十人十色のバガボンドの完成原稿が,感想文と共に見れます. 更に,仙台会場入口に井上先生が描いた,巨大壁画のメイキング映像を,本誌連動として,完全無料で“Switch App(スイッチアプリ)"にて公開!! 巨大壁画の制作過程を追った“THE MAKING OF 井上雄彦 最後のマンガ展 最終重版"が,iPhoneとiPadで観れます. バガボンドファンは,是非,鑑賞してみて下さい!! 仙台最終重版に行った方も,行けなかった方も,この一冊は必見です!!
雷桜 スタンダード・エディション [DVD]
蒼井優が今までに演じてきた役柄には、主役から脇役に至るまで、不思議と忘れられないキャラクターが多くて、当然の結果として、私は蒼井優という女優のファンになったわけです(個人的に好きなキャラクターを無理やり3人挙げるならば …『フラガール』の紀美子、『百万円と苦虫女』の鈴子、『花とアリス』のアリス かな)。
この映画で彼女の演じた“雷(=遊)”も、彼女らしく、個性的でエキセントリックな役柄ですが、純粋で、自由な、まるで風のようなキャラクターは、まさしく彼女にぴったりの役柄で、最高に魅力的です。
彼女が演じてきた多くのキャラは、もちろん恋愛もしていましたが、決してそれが全てではなかった。他にも悩みや楽しみのある女の子の人生そのものを、可愛らしく等身大に演じきることが、彼女は多かったと思うのです。
だから、雷のように、恋愛に全てを殉じるような、そんな女性を演じるのは、彼女にとってすごく珍しいことで、そんな純愛映画の蒼井優を、私は見たかったのかも知れません。
映画の内容を簡単に言えば…
決して結ばれることの叶わない二人が、短い間にせよ深く愛し合い、別れていくという、純愛ストーリーです。題名にあるとおり、桜の花びらのように、はかなくも散ってしまう二人の恋なのですが、あたかも桜の樹が深く根を張るように、二人の愛は決して死ぬことはなく生き続けるのです。
とにかく切なくて、美しいお話なわけです。とりわけ、蒼井優と岡田将生の二人のシーンで、美しいシーンの多かったのが、印象に残りました。
不貞の季節 [VHS]
SMの重鎮、団鬼六の自伝的作品。勿論、SM場面もあるが、主人公の自省的な語りがなかなか愉快。主人公は、元々純文学志向の作家い。エロスの世界を極めようとエログロ作家と呼ばれ始めるがそれと比例して収入も増加する。ところが問題は家人である。作品を書くために家でモデルを呼び緊縛しスケッチなどするが、家人は当然面白くない。夕飯を食べながらエログロ、変態と罵る。遂には寝室に鍵をかけられる。そうこうしているうちに家人は、主人公の助手を誘惑している。助手にそのやり取りを聞きながら、悶え苦しみ作品をものにしてゆく。あの団鬼六が、と思ってみると楽しめると思う。創作の裏に人に言えない苦労が潜んでいるのだと思う。ちょっとこぼしてみた、という作りが作品を落とさずにすんでいると思う。主人公に扮した大杉漣ははまり役。谷崎風とも言えるか。団鬼六の人となりに関心のある方にはお勧め。