陽のあたる坂道 (新潮文庫 い 1-18)
青森と言ってもある作家とは
こうも、違うものかと云うほど
前向きな温かい作家ですよね。
明るくすこやかな 人の温かさや優しさ、
誰しも大小あるだろう劣等感への扱い方。
活き活きと描かれたものが少ない現代だからこそ
余計に心地良く感じます。
信次を倉本たか子が愛することも自然で
たか子と信次に語らせていることが
伝えたいことなんだろうなと思います。
こうした学生を描く雰囲気は、
曽野綾子女史の28才から35才当時の
いくつかの小説ともテイストが似ていて
お気に入りです。
陽のあたる坂道 [DVD]
この映画の公開時は まだ戦後 13年でしたが 芦川いづみが彼氏の川地民夫を積極的にリードして行きます。今は女性がリードして行くのが、当り前の世の中に成ってしまいましたが 当時は新鮮に写ったのではないでしょうか?可愛いけれど強い!そんな22才の芦川いづみが最高です!
陽のあたる坂道 (角川文庫)
青森と言ってもある作家とは
こうも、違うものかと云うほど
前向きな温かい作家ですよね。
明るくすこやかな 人の温かさや優しさ、
誰しも大小あるだろう劣等感への扱い方。
活き活きと描かれたものが少ない現代だからこそ
余計に心地良く感じます。
信次を倉本たか子が愛することも自然で
たか子と信次に語らせていることが
伝えたいことなんだろうなと思います。
こうした学生を描く雰囲気は、
曽野綾子女史の28才から35才当時の
いくつかの小説ともテイストが似ていて
お気に入りです。
青い山脈 前・後篇 [DVD]
学園青春映画の原典と云うべきこの作品。
石坂洋次郎の原作は終戦直後の新聞小説と云うこともであり、いかにも大時代的な理想主義ではあるのだが、その明朗な青春群像の魅力は世代を越えて受け入れられ、また数回リメイクされたこともそれを証明している。
特に吉永小百合を主演に据えた日活版は、脚本も大幅に手直しし、現代的に若返ったと話題になって大ヒットしたのだが、やはり最高傑作は原作に忠実な今井正監督版。
封建的な旧制女学校を舞台に繰り広げられる若き叫び、美しき師妹関係、効果的に流れる挿入歌の「恋のアマリリス」・・・、50年以上の時を経て夢のような物語の新鮮さは失われたかもしれないが、昭和24年公開の『青い山脈』はクラシックとも云うべきてりさえみせる。
なにより魅力的なのは出演者。
島崎先生を演じる原節子は気品さえ感じさせ、池部良はまだまだ新鮮、健康的な杉葉子は新時代の女性像に相応しく、小暮実千代は珍しくコミカルで魅力的。竜崎一郎の演技は達者とはいえないが、原節子とのコンビは絶妙で、今井正のキャスティングの的確さを示している。
この作品でもっとも輝いているのは眼鏡をかけた若山セツコ。彼女の演技力は特筆すべきもので、『青い山脈』の成功は少なからず若山セツコにあると思う。
未見の方には時間を経たものだけがもつ”新鮮”な感激が味わえるでしょうし、再度御覧になる方には今一度、若山セツコさんの可憐な姿に注目していただきたいと存じます。
青い山脈 (新潮文庫)
他のレビューの評価が良かったのでここで三ツ星を付けてしまうのはちょっと抵抗があるのですが、読んでみてそこまで共感できませんでした。新聞連載当時から絶大な支持を受け、刊行されるやいなや大ベストセラーとなった本書。内容はこの時期特有の旧体制の打破という典型的なものです。
一人の少女の恋愛をめぐって学校が二分し恋愛を認めるべきか否かと、意見を戦わせるという、少々リベラルな筋書き。たぶん著者は「青年達の自由な恋愛を認め、封建的な考え方は打破すべきだ!」とこの小説を通して言いたかったんでしょうね。読んでいて著者の熱意が伝わってきます。筋書きそのものも確かに他のレビューアーの方がおっしゃる通り、若者らしい情感や描写に溢れ、読んでいて気持ちよくはなります。特に問題となる男女の関係は非常に洗練されており、ボート乗り場で不良と戦う所は思わずハラハラさせられてしまいました。なんとかなってホッと胸を撫で下ろしたり。ただの青春小説として読めば何ら抵抗なく本当に気分よく読めるでしょう。これは本当にそう思います。
しかし、先述したように著者の主張が全面に押し出されていて物語が恣意的過ぎるきらいがあります。実際に意見を戦わせる場面では一応山場は用意されるのですが、その作り方がなんというか素直に共感できない。いかにも「作ったな」という感じがしてしまいます。その切り抜け方もあっさりしすぎている。面白くなってきたと思ったら、すぐに引っ込んでしまう。最後の和解のシーンも取って付けたような話で不満足でした。登場人物も味方側(自由恋愛賛成派)はいかにも啓蒙された進歩的な考え方を持つ人々というかんじで、反対側は(態度を変えるまでは)陰険で自分勝手、旧弊に惑わされ続ける愚鈍な人物と、描き分けがはっきりしすぎています。言い過ぎかもしれませんが、なにかパンフレットじみているような気さえしました。しかも討論のシーンではなんら論理的なことはお互いしゃべってはいないのに、投票したらいつのまにか味方が勝っている、変だと思います。
感想はタイトルの通りです。正直に言って素直に薦める気にはなりません。