ハサミ男 (講談社文庫)
最高級の料理方法!!!
あらすじ
ターゲットは、美しい少女。
殺した少女の首に挟みを突きさす猟奇殺人鬼の「ハサミ男」
ところが、次の少女を綿密に調べ上げている最中に
なぜか、その少女の死体を発見するはめになり・・・
感想
初めてこの作品を読んだときのビックリ度と言ったら・・・
そのときはミステリーの世界に足を踏み入れたばかりで
その影響もあるでしょうが、
そうでなくても相当にビックリしたはず。
再読して感じたのは、その手筋の上手さ。
一点集中型の作品なのでしょうが、
その手の作品に多い派手さと引き換えの不自然さがありません。
各種の設定が流れるようにつらなって
ユーモア漂う残酷性という独特の雰囲気が出来上がっています。
拍手するしかないでしょう。
読んでから一言
たぶんもう一回読んじゃうんだろうな。
鏡の中は日曜日 (講談社文庫)
十四年前、マラルメの研究者・瑞門龍司郎が住む梵貝荘で起きた殺人事件。
その事件をもとに、当時現場に居合わせた作家・鮎井郁介は、
「梵貝荘事件」を執筆するが、なぜか未完のままにしていた。
現在の名探偵・石動戯作は、事件の再調査を依頼されるのだが……。
本作は全三章からなり、第一章はアルツハイマー病とおぼしき正体不明の
「ぼく」による一人称の語り、第三章は石動に焦点化した三人称の語りと
鮎井の手記、そしてメインパートとなる第二章は、2001年夏の「現在」と、
1987年7月7日の「過去」のエピソードが交互に配されるカット・バックの
構成が採られています。
第二章の「過去」パートは作中作(鮎井の「梵貝荘事件」)で、梵貝荘の中庭において
弁護士が殺され、死体の周囲に十五枚の一万円札がばらまかれた事件が描かれます。
そうした奇妙な状況は、なぜ生じたのか?
カギとなるのは、詩の脚韻という形式性を重んじたマラルメの象徴詩。
名探偵・水城優臣は、犯人が殺人に託した象徴的意味を読み解きます。
ところで、この名探偵は作中現実に実在するのですが、実は※※、
というのが、本作のトリックにおけるひとつのポイントとなります。
また、現在においても殺人事件が起きますが、シリーズ読者に
とっては、もっとも意外な人物が「被害者」となることになります。
本作はとりあえず、綾辻行人の《館》シリーズに対するパロディと
オマージュを意図した叙述トリック作品ということができるでしょう。
愛のないパロデイには辟易させられるだけですが、さすが
著者は、センス良く、スタイリッシュにきめてくれました。
そして、過去と現在、それぞれの事件のモチーフにマラルメとアルツハイマー病患者――
詩人と障害者――を選び、対置させてみたところからは、本格ミステリへの犀利な批評性
を窺うことができます。
ハサミ男 [DVD]
いい映画ですよ〜!
ただし後半勝負! 前半はひたすら耐えましょうww
何にかって?
キャラ的魅力を与えられない役者陣
軽くズレた台詞
ほんのわずかだけ大仰でかみ合わない芝居つけ
そこに差し挟まれる衝迫的なシーン
(麻生久美子の繰り返される嘔吐演技はすばらしい!)
僕自身、まんまと騙されました…
とても佳い作品だと思います おすすめ!