Buxtehude: Organ Works (Complete)
北ドイツ楽派の作曲家・オルガニストのブクステフーデのオルガン全集。
若きバッハが徒歩で遠路はるばる聴きに行き、演奏のあまりのすばらしさに、滞在を何カ月も無断延長してオルガ二ストの職務を放棄し、市当局に叱責されたエピソードで有名です。
ウルリック・スパング=ハンセンによる1990年代の演奏。
6枚組にもかかわらず、びっくりするほどの安さです。
曲順は降誕節から三位一体節までの教会暦順に並んでいます。
演奏は堅実で地味な印象ですが、悪くありません。録音も優れています。
解説書は入っていません。
他の全集では、ヴァルター・クラフト盤 が古典的名盤とされているようですが、1950年代の録音です。
名曲集にはアラン盤 などがありますが、現在入手できないようです。
ブクステフーデ:オルガン作品集 2
ナクソスのブクステフーデ・オルガン作品集第二弾。奏者はジュリア・ブラウンというリオデジャネイロ出身の女性で、ナクソスでおなじみのリュプザムのもとでオルガンを学んだ方だそうです。
このCDにはコラール編曲を中心に名曲ばかりが収められています。有名な「暁の星のいと美しきかな」(BuxWV223)をはじめ、「来たれ聖霊、主なる神」(BuxWV199)「天にいますわれらの父よ」(BuxWV207)「甘き喜びのうちに」(BuxWV197)などなど。中でも、ブクステフーデが父親の葬儀に際して演奏したという「安らぎと喜びもてわれは逝く」(BuxWV76)は白眉。このコラール変奏曲には高度な対位法が用いられていて、バッハの「フーガの技法」にも何らかのインスピレーションを与えたのではないかといわれています。ちなみに終曲の「嘆きの歌」は一転してシンプルかつメロディアスですが、深い悲哀がにじみだす感動的な曲です。
さて、もうこれだけで十分に贅沢な内容なのですが、まだ終わりではありません。極めつけは傑作曲「シャコンヌ・ホ短調」(BuxWV160)です。ブクステフーデならではの卓越した構成と、霊感溢れるメロディーが実に魅力的。本当に贅沢な選曲です。
気になる演奏は即物的な感じ、安定していて心地よく、オルガン(オレゴン州の中央ルター派教会のブランボー製オルガン・1976年製)も立派な音です。
贅沢きわまる一枚、これは買いです!
空のない星 (Best choice)
ヒットラー率いるドイツ軍とソビエト軍の戦時下でのお話し。
そのドイツのある町には毎日のように家を捨て戦争から逃れようとする人々が通りすぎていった。そんな人々の移動がだんだんこの町の近くの人たちになってきた。この町では許可なく町を出ることは禁じられていた。
この町のある少年たちは廃墟となった建物の地下に食料庫があることを見つけ時々それを食べていた。そんなある日一人の少年が偶然逃げ込んで来る。ユダヤ人アビラムである。
この本はユダヤ人アビラムを届け出るか・でないか少年たちを中心に書かれている。少年の友情の変化、大人たちの心の変化やユダヤ人であるだけで殺されなければならない現実そしてドイツの平和はソビエトの勝利にあるとする大人、考えさせられる作品である。