怖いもの知らずの女たち
アラ還から70代前半の個性的な女性たちが
よくもまあ、集まったものだと感心。
その生き方がかなり丹念に書き込まれており、
たしかに女性たちへの応援歌となっている。
この年代の方たちがキャリア・ウーマンとして
よくぞここまで成功されたと思う。感服。
さすが吉永みち子さん、ウマイ!という表現
も随所に見られる。
しかし「シャンソン」「シャンソン」と歌って(?)
いる割りに、そのへんの書き込みはいたって少ない。
どんなボイス・トレーニングをしたのか、どんな
先生についたのか、どんなふうに曲選びをしたのか、
等々はほとんど書き込まれていない。
彼女たちの生き方をこれほど丹念に書いているのなら、
その生き方と、コンサートでの歌を関連づけて
書いてほしかった。
なぜ彼女はその曲を選んだのか、
その歌詞にどのような想いがあるのか、
歌い方にどのような想いが反映されていたのか等々。
そのへんが書かれていないと歌の本にはならず、
単なる元キャリア・ウーマンたちの生き方を
まとめた短編集となる。
果たしてコンサートのデキはどんなものだったの
だろう。登場人物の1人にでもいいから、歌に
対する真摯な想いを聞かせてほしかった。
変えてゆく勇気―「性同一性障害」の私から (岩波新書)
第一章の性同一性障害者であることを表明して区議会議員に見事当選するまでのお話が、まず感動的でした。気負いなく、その当時の恐れと迷いの交差する心境がとても率直に語られていて、勇気なくしてはなしとげられなった著者の行動が痛いほど胸をうちます。
この本は単なる一個人の体験談ではなく、今まで読んだGID当事者の本の中では最も社会的な広がりをもつ、特筆すべき影響力を秘めた本だと思います。勇気とはどういうものか、小さな市民にも可能な勇気ある行動とは・・・すぐにも手の届くところにある、その勇気の本質が著者自身の議員活動を背景としてやさしく語られています。一般の人にもお勧めしたい本です。
愛と死をみつめて [DVD]
私は さゆりすとではないが19歳の吉永小百合は,あまりにも美しすぎる。軟骨肉腫で余命が わかっていながら懸命に生きるみちこ。それを支えるまこやくの浜田光夫。日活の全盛期の素晴しい作品である。41年前の大阪の情景もわかる。生きる事,愛する事,希望を捨てないで生きようとする主人公に本当に感動した。冒頭に出てくるレース編みは 主人公が生前に編み上げた作品である。
文通も知らない 携帯世代の若い世代にみてほしい