フリーダム・ライターズ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
教鞭を執るもの、これから教壇に立とうとするもの、先生と呼ばれているもの、そのすべての方々に是非ともみてほしい感動と余韻にひたる素晴らしい映画です。
信じること、心を開くこと、人を人として愛すること、分かち合うこと、勇気を持つこと、喜ぶこと、そして生きること。
オープニングでは、学園ものの割にはやや大人びた学生たち。
それにダーティーな部分が漂い、ラップ系リズムでダラダラと続くのかと思いきや、いつのまにか熱中して観ていました。
エスカレーションする度に、強く心を打たれ、自然の涙がこぼれてしまう。
先生と生徒の青春ドラマなんかじゃあなく、もっと深い人間性に拘った問題をテーマにしており、すごく奥の深い感動を覚える作品です。
しかも、実話をベースとしたものであり、教師エリン・グルーウェルは実在人物であり、人を人として受け止め、失っていた心を取り戻させ、そして若人の夢実現の可能性を誘導したのです。
そのひとコマごとのシーンには、想像を絶する勇気、強い信念、忍耐力を葛藤しながらも成し遂げたことが膨らみを持ってよく伝わってきます。
そして、それは”奇跡”ではないと思います。
あの「ミリオンダラー・ベイビー」で、強く心を動かされる演技をしたヒラリー・スワンク。
最近では「P.S. アイラヴユー」と、いずれも印象に強く残る作品には彼女が主演しており、彼女の生い立ちからくる共感や共有するものを映画の中で根気よく表現しようとしているのかもしれません。
ヴェラ・ドレイク [DVD]
カメラワークや俳優の演技など、作品の質はかなり高かったです。
ですが肝心のストーリーが弱い気がしました。
作品を観終わっても、結局何が伝えたかったのかが分からないのです。
「法律的には悪い事だけどこれは本当に悪い事なのか?」と伝えたかったとすれば、
ストーリーをもっとそのテーマに沿ったものにするべきですし、
他の事を伝えたかったとすれば、それは何も伝わってこなかったので監督の技量不足と言えます。
結局テーマが終始ぶれていて、明確なテーマが決まっていないんですよね・・・・・・。
ストーリーだけだと星2つですが、質の高さを考慮して星3つです。
娼婦たち ヘア完全無修正 [DVD]
実際(?)体を張った人たちのインタヴューは、ある程度予想できる内容とはいえ(内容は星3)、リアリティがあった。体を売る側と買う側両方の視点もあるし、映像と音楽の構成と処理がうまいと思った(プラス星1)。確かに掘り下げ方が足りない点もあるが、売春を扱う大抵のメディアは、あまりにも社会学的か哲学的か政治的になり過ぎ、この問題の暗く深刻な側面のみに集中、結果として、つまらない映像になるケースが多い中、映像娯楽としてもかなり頑張った作品だと思う。監督はスペインの新進女流監督らしいが、何か才能はありそうだ。それにしても何故(特に)欧米にはAF好きが多いのか。(DVDはたぶん修正版)
KITTY, DAISY & LEWIS [ボーナストラック収録・歌詞対訳付き・国内盤] (BRC207)
まず、ジャケットにめちゃくちゃ惹かれてしまいました。クラシカルな雰囲気、モノクロ写真特有のシンプルな美しさがあって、年代で言えば例えば戦後?とか50年代頃のミュージシャン?
でもって、ジャケットを開いてもやっぱりビックリ。どうみたってやっぱり50年代前後のクラシカルな匂いがたっぷり。雰囲気もなんだか素敵。
彼らの正体がちゃんと現代のミュージシャンで、女の子2人男の子1人の3人兄弟、平均年齢が十代後半と知ってホンと驚きました!どうやら数年前からロンドンのクラブシーンを賑わせていて、しかも78回転のレコードでDJをしていたとか!!!
中身もホンと、ほとんど50年代前後の音楽のカバー。ロカビリーとかヒルビリーとかジャイブとか・・・まさに、その頃流行していた音楽が詰まったおもちゃ箱。また、そんな音楽にインスパイアされてできた自作のナンバーも有りとか。例えば10曲目のハワイアンテイストなSwinging Hawaii。これいいですね〜
その頃の音楽をカバーするミュージシャンは数多いと思うけれど、こうしてまだ十代の子供達がアルバム全編を通して50年代前後の音楽をやってしまうとは、驚嘆の一言。
しかも、ジャケット内写真にあるように、アナログ機材で録音したとか。そこまでのこだわりに、彼らが好きでリスペクトする音楽への思いが半端でないものを感じますね。
とにかく1曲目から、サウンドにもボーカルにもやられっぱなし!普段なかなか聞けない音楽がどんどん飛び出てくるのがナンだか楽しい。
リズムに乗ってボールがぽんぽん弾むようなボーカルが新鮮な魅力を放っていますね。思わず一緒にクラップしたくなるし、いつか何かの映画で見た、昔流行ったダンスージャイブとかジルバ?−が自然に踊れちゃいそうです(笑)。
チャーリー・リッチとかジェリー・リー・ルイスなどなど50〜60年代のミュージシャンを集めたCD集を持っているのを今思い出したところで、調子に乗って(?)久しぶりに引っ張り出して聞いてみたくなりました。
今後も彼らの音楽活動が楽しみです。
エモーション・アンド・コモーション
もはや、ジェフベックには方向性だの、テクニックだの論ずるのは見当違いだろう。彼自身の現在の心境と捉えるべきかなと思う。このアルバムでは「コーバス・クライスティー・キャロル」を1番目に、「エレジー・フォー・ダンケルク」を10番目に配した事でその心境は容易に推測出来る。テクニックより洗練、主張より調和、生粋のジェフベック・ギターフリークファンにはちょっと物足りと感ずるかもしれないが、これら全てがジェフベックである。7番目の「ライラック・ワイン」でのギターとボーカルが互いに引き立てる、どちらが主役とも言えない有機的結合、8番目の「誰も寝てはならぬ」の理屈抜きのギターでオペラを歌う鳥肌ものの感激、この2曲を聴くだけのために購入して損はないです、いやいや買わないと一生の不覚ですよ。日本版のおまけについてる12番目の「クライ・ミー・ア・リバー」は大当たりで、日本版の購入をお薦めします。しかし、ジェフベックは「イメルダ・メイ」や「ジョス・ストーン」と言った才能ある、しかも綺麗なお姉ちゃんをはべらせて、ミュージックライフですか・・・男冥利に尽きますなー(笑)