プロダクトデザイン 商品開発に関わるすべての人へ
仕事で技術系ドキュメントのデザインに携わることになり、参考にと購入。
取り上げられている内容は、プロダクトデザインとそれにかかわる周辺知識全般で、本書があればプロダクトデザインとは何たるかの概観を知ることができる。また、さすがプロダクトデザインの解説書を謳うだけあって、画面構成が一望して見やすく、図表も簡潔にして要領を得ている。
ただし、内容が広範な反面、それぞれの項目に関しては深く掘り下げられているわけではない。広く浅く、といった感じだ。より実践的なプロセスをとるには、本書をガイド役に詳細を他の専門書籍やインターネット等であたることになるだろう。
プロダクトデザインを俯瞰的に見るための一冊である。
ドラマCD PEACE MAKER 鐵 第参巻
いきなり山崎烝サンの、クールを装いながらもばりばりシャイなところがちらちらする独白で始まる本作。
本編の行間を埋める、烝さんの心境に迫った内容で、思わずどきっとして耳を澄ませてしまいました(笑)
この独白が全体を象徴するシリアスな展開は、もちろん烝サン中心に繰り広げられていくわけですが、彼の弟らしい甘え、忍びゆえの抑圧、新選組としての矜持、それらで自らを鎧固めた脆さが全部集約されていて、山崎烝の世界に没入できます(爆)
それをワキがきちんと引き立ててくれているのも、またいい。
歩ねえさんは、いつも以上におねえさんとしての優しさと厳しさをしっかり見せてくれて、頭の上がらない烝サンと怒られて拗ねて逆ギレする烝サンがちょっと可愛いです(笑)
同時に後の展開を思うと、寂しくもなるのですが。
他の脇役それぞれにもちらりと見せ場がある上、重くなりがちな話をふっとリフトアップしてくれて、どんどん切なさを増す展開にもじっくり惹き込ませてくれました。
終盤の烝サンの素直な独白は、哀しみを乗り越えた確かな強さを感じて、めっちゃじーんときます。
PEACE MAKER 鐵 キャラクター・ディスク-山崎烝- [DVD]
櫻井孝宏さんの演じた山崎烝がメインのDVDという事で購入しましたが、思った以上にボリュームがありました。
名場面集も、烝が忍として戦う場面中心の物と、烝と歩、烝と鉄のやりとりを中心に収録した物に分かれており、とても見やすかったです。
メインの声優さんが烝について語り合う音声特典も、話が逸れまくりで(特に諏訪部さん!)とても楽しいです。
櫻井さんのインタビューも思ったよりも長く、本当に買って良かったなと思いました。
あしたのジョー2 DVD-BOX(1)
出崎統&杉野昭夫の最強タッグの贈るスポーツ青春群青の傑作。
能書きは不要!!観ないと損です。
伝説のカーロス・リベラとの一戦。
胸が高鳴ります。
ジョーの魂は、21世紀になろうと燃え尽きない。
素晴らしいアニメです。
洲之内徹 絵のある一生 (とんぼの本)
この本の表紙を飾る写真、そしてページを開けた扉の白黒写真は69歳の洲之内徹である。
その顔は皺に刻まれ、どこか教会の神父に見えないこともない。
洲之内徹。画商であると同時に絵画の蒐集家。
74歳の生涯を閉じるまで、「絵」と「女」を愛し続けた男である。
一人の人間の人生というものはどのようにしてもとても描ききれるものではない。
しかし、誰だってこれを抜きにしてはその人を語ることはできないというものを持っているはずである。
どんなに平凡な人生を送っている人間でも、それは必ずある。
洲之内の場合、それが「絵」と「女」だった。
彼が過ごした日常の中で、「絵」を<図>として、「女」を<地>として見れば、彼のこれまでの生き様が浮かび上がってくる。
この本では、その趣旨からして、<地>の部分はあからさまには語られないが、彼の女性遍歴は自身の生き方、日常の過ごし方に大小様々なウネリを加えたはずである。
洲之内徹は20歳を過ぎた青春時代に、マルキシズムからの「転向」を余儀なくされた。
いや、余儀なくされたというより、それはある種、彼の宿命みたいなものだったかも知れない。
その宿命に寄り添おうと彼はその後の人生を生きるのである。
本書では洲之内徹の生き様を、彼自身のエッセイと彼を知る人々の証言から確認するという作業が試みられている。
珠玉の美術評論やエッセイがいたるところに散りばめられ、納められた色鮮やかな絵画たちは、みんな洲之内の巧みな文章に呼吸を合わせたかのように息づいている。
これらは彼の著作である「気まぐれ美術館」からの抜粋で、自らの私生活を吐露したものであり、画商として画家との繋がりを通して得た人生観であり、あるいは蒐集家として独自の目線で捉えた作品批評であったりする。
まさに洲之内徹の素描が描かれている一冊と言える。
また、彼を知る親しい人が語る洲之内も魅力的である。これらを辿ることにより「人間」洲之内徹が見えてくる。
それにしても「絵のある一生」とは当を得た題名である。
画家が渾身を込めて「一生の絵」を描くのだとすれば、洲之内徹は一生を通じてそれらと出会い、それらに囲まれながら、「美」を感じ続けていたのだ。
羨ましいとしか言いようがない。