マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]
マイマイ新子と千年の魔法を見ました。
泣きました。
私も経験があるのですが都会から田舎に引越しをしたときの
心細さ、次第に友人と打ち解けるときの楽しさ、別れと、出会い。
天の川の下で語り合う二人。
アニメーションでこれだけ綺麗な世界を作れた片渕須直さんは天才ですね。
このアニメーションは、あまり注目されていなかったので、上演はそれほど
されていなかったのが、1年以上経過してから次第に人気が出てきている
状態のようです。
ある意味、魔法と書いていますが、リアルティーを重視していて、
普通の日常を基本的にアニメにしているものです。
そういう意味で、派手さや、アクションは無いのですが、
原作の何とも言えないほろ苦く すっぱい世界を さらに深化させた独特の
アニメーションに仕上がっていて、これは必見だと思います。
山口防府市(駅名はみたじり となっていますが今は防府市)
の昭和30年代の豊かな自然を背景に美しく描かれていました。
何度もキーワードで出てくる言葉が
「一緒に遊ぼうよ」です。
良い言葉ですね。
人と人をつなげ、
時代と時代を繋げる言葉
それは平安の時代にまで投げかけられるのです
「一緒に遊ぼうよ」
防府市に4年だけ、親の赴任で着いてきていた、清少納言(枕草子の作者)の
幼少時代がオーバーラップして描かれています。(これは原作にはない監督の
オリジナルですね)
さらに身近な人の2つの死が交差する中で、シンクロする輪廻・生命賛歌話の展開
でも決して、おとぎ話にならないリアルティさがあり、
本当に、不思議な話です。
でも、確かに今の自分たちは、過去の歴史の積み重ねの上に
生きているんだと感じさせられます。
色々な画面から、シーンから、大きなメッセージとして
人への想いやりの大切さが伝わってきました。
NHK ドラマ8 ふたつのスピカ <3 Disc Set> [DVD]
原作最終巻を読んで再びハマって、一応録画しておいたこのドラマを見ましたが、なかなかいいですよ。
原作との相違点が多く、あまり見る気が起きなかったのですが、みていくうちにこれもありかな、とおもえてきました。
話数が少ないのが残念ですが、そのぶん手軽に見られます。
おすすめですよ。
SAMURAI CODE [DVD]
TOYOTAのMARK Xのプロモだそうで、随所に同車が出てきますが内容が良いので全く鼻につきません。
兎に角「構成」と「カメラワーク」に優れた作品です。
監督さんは取捨選択のできる、優れた方なのだろうと予想できます。
(1時間未満の作品なので、これが出来る監督さんにあえて仕事がいったのかもしれませんね)
出演者の皆様も素晴らしい演技で、最後まで惹きつけられました。
集団の中で働いている方なら、興味を持って観ていただけると思います。
こんな上司の下でなら、私事よりも仕事を優先してしまいそうです。
また、男ならこんな人になりたい!と思わされます。
そして物語を通じて漂う切ない気持ち。男なら誰でも類似した記憶を持っているのではないでしょうか。
「ローマの休日」のラストシーンで覚えた、あの哀愁の念を思い出しました。
出演者の誰かが好き!とか、MARK Xが好き!といった理由がなければなかなか観るきっかけはないかもしれませんが、
機会があれば是非ご覧になっていただきたい作品です。
はじめての麦わら帽子
著者は女優、司会者として見ることが多く、また本好きでエッセイも出していることは知っていた(絵本の翻訳については知らなかった)のだが、著書を読むのは今回初めて。生まれた娘にとっての「はじめて」は、そのまま自分の人生にとっても「はじめて」のものが多かった、ということを中心に書かれた、子育てやその合間に読んだり見たりした本や映画についてのエッセイで、著者の「ほんわか」した雰囲気が感じられる1冊。
妊娠中のあれこれ(食べ物の嗜好が変わるのは聞いたことがあるが、妊婦さんの中には食べ物じゃないものを欲する場合もあるという話にビックリ)、産院を何度か変えたこと、出産当日の話、神楽坂の三毛猫と授乳との関連(似た話は知り合いからも聞いた経験あり)、娘の初めての食べ物、娘の便秘の特効薬(本屋を巡ると・・・というのは聞くが、これはそういう効能があるとは思わないもの)、お花見デビュー(し損ねた)話、子ども同伴OKの飲食店など、読んでいて、世のお母さんたち100人いれば100通りの子育てエッセイがあるのだろうと思えた。また成長に従って、それぞれの話をおいおい子どもに語って聞かせているのだろう。そう考えると、世のお母さんは皆、子どもにとってはかけがえのないエッセイストではないだろうか?
その他、阿川佐和子との食を巡る交流、テレビで森見登美彦は著者のファンと公言していたのだが、そのお返しとなるような著者から見た森見登美彦について、他にも吉田戦車、穂村弘との交流や、本、映画、サハラ砂漠に行ったときの話など。