君の名残を (上) (宝島社文庫 (487))
クライマックスに向けてグっとくるものはありました。
男を愛し、守る為『巴』となり歴史をなんとか変えようとした少女。
『弁慶の立ち往生』というあまりにも有名な最期を知りつつも、主人の為、自らの為、戦った少年。
人の力が及ばぬモノに選ばれ、翻弄され、そして迎える結末。
歴史小説であり、タイムスリップものなだけにSFというくくりも当てはまるかもしれませんが、
全編に死生観がちりばめられていて、なんだかすこしばかりスピリチュアルな内容でもありました。
そして、見てくれの糖度は低いものの確かにロマンス小説でもあります。
やさしくて柔らかいのに、ほろ苦く、哀しい、そんなお話です。
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もし死ぬ前に、他の人の身体を借りて
言い残したことが言えるなら・・。
神様が下さった、死への準備期間。
マリコはきっと幸せだったと思います。
「子供を生めない人は家族じゃない!!」
淋しくて仕方がないマリコの気持が、
素直に伝わって来る映画でした。
「あなた・・」と妻が目覚める時の
西田敏行さんの表情も心に残ります。
感謝の心、思いやり、愛する気持・・。
琴線に触れる場面が多く、思わず涙が・・。
心のお洗濯をしたように清々しい。
余韻の残る物語に胸が熱くなりました。
四日間の奇蹟 (宝島社文庫)
ラスト50ページは確かに読ませる。
中盤まではシオリをはさむ回数が多かった。
ただ、「ラストは感動する」と、多くの評論家がいってるので、
それを目当てに読み進んだ、という感じもする。
ある作品とネタがかぶるが、それはあまり気にならなかった。
正直な話、大絶賛のわりには・・・
君の名残を (下) (宝島社文庫 (488))
一般的に流布されている木曾義仲と源義経の像を、まったく別な形で描いていたところが新鮮でした。
野卑、軽率、傍若無人、浅はか、荒くれ者と言われている彼らですが、この物語ではまったく別の姿で描かれています。
歴史上の人物を描く場合、そのほとんどが想像でしかないと考えると、この本にあるような義仲や義経であった可能性もあるわけで、そういう読み方もできる小説と思いました。
いわゆるタイムスリップ物ですが、物語としては歴史小説に近い印象があります。
どうしようもない歴史の流れに押し流されている主人公たちの姿は、あまりにもせつない。
現代人である主人公たちの目から見た源平の合戦、鎌倉幕府の台頭など、読み応えがありました。
SFとかファンタジーとか言われていたので読む気にならなかったのですが、歴史好きな人がこれをWEBで薦めているのを見て読みました。
読んでよかったです。