のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
玉木宏の指揮姿に圧倒された。06年頃の少女漫画の王子様そのもののような甘さ、柔らかさが抜けて筋っぽくなった現在のビジュアルが、ストイックなパリの千秋にぴったりだった。男の魅力が出てきた。失われた美に未練はあるが、新たに獲得されつつあるものにも美がある。よかった!
指揮しながら玉木の見せた表情。左右の振りを別々に覚えて、それを合体しているだけだったら物まねだ。インタビューを受けた玉木が、「そのうえ演技も」という「演技」が良く分からなかったが、映画を見たら分かった気がした。本物のオーケストラを撮したのでも、上手な物まねでもなく、玉木が「パリ在住の若くて安い指揮者 千秋真一」を演じている。指揮しながら玉木の見せた表情はそのことを納得させた。いや、千秋真一は指揮台の上で一番表現されていた。
今までの映画は、どれほど圧倒的なアクションシーンがあっても、それだけでない何かがあって、それらの総合から映画の感動は生まれてきた。「ベン・ハー」しかり。「男達の挽歌」しかり。その映画を見た喜びは、有名なアクションシーンにではなく、主人公の人生に立ち会えた所にある。映画ってそういうものだったろ? しかし、「のだめカンタービレ最終楽章前編」は、指揮のシーンがすべて!そういう映画。それでこれだけ感動した。映画の感動のありかが変わってきているような気がする。(「後編」と揃えばまた違う味わいがありそうだが‥。)
玉木は、シンクロを、ギターを、指揮を、どうせツクリモノというレベルで役者に期待される以上の努力を重ねて結果を出してきた。29歳の現在、玉木はそういう演技者(表現者)として存在している。30代を迎えて“明日はどっちだ?”
仮面ライダーW(ダブル) ファイナルステージ&番組キャストトークショー【DVD】
実際に東京(中野サンプラザ)で行なわれた公演を観てのレビューです。
ショーの構成は、第1部がいわゆる”仮面ライダーショー”の形式で、第2部が番組出演者のトークショーとなります。同様な公演は以前『仮面ライダー電王』でも催されてDVD化されています。
まず第1部ですが、40才すぎの親父が観ても興奮しました。音響やレーザー,スモークの演出も凝っています。詳細はあえて伏せますが、このショーのためだけに新ドーパント(敵キャラ)が
出現します。またその敵の力に対抗するために、TV番組中では不可能だったバトル演出があります。ゆえに子どもも大興奮だと思います。
第2部は主要キャスト(翔太郎,フィリップ,亜樹子,照井,冴子,若菜)は3日間の全公演で出演した様ですが、他の1,2名はゲストとして日替わりです。あえて触れますが、中野公演には
”園咲家のマス男さん”こと霧彦が出演して場を盛り上げました。他の公演日のゲストのトークも観たいので、DVDを予約しました。
『仮面ライダーW』を1年間応援された方々には、ぜひこのDVDも観てもらいたいと思います。
サナギ
R-1ぐらんぷり2連覇の偉業を成し遂げ、今もなお、お笑い芸人として活躍中のなだぎ武が幼少期から現在までを赤裸々に綴った自叙伝。
小学校時代は活発だったものの、中2の頃に凄惨なイジメを経験。
高校には進学せず、一度就職するも長続きせず、引きこもりの日々を過ごす…
などといったことが前半部に書かれており、引きこもり期の自身を「サナギ」に見立て、そこから羽化して飛び立っていく姿を、そこは芸人らしくユーモアを交えて描いている。
あまり書き過ぎるとネタバレになるのでここには記さないが、この本を読んでますます、なだぎ武を応援する気持ちが強くなった。私自身も学生時代にいじめられた経験があるので、なだぎの自身の心理描写には共感できるものが多い。
それと、彼が引きこもり期にむさぼるように読んだという小説や漫画の数々についても、コメントや受けた影響が書かれており、彼自身のレビュー集としても楽しむ事ができ、私も寺山修司やジョージ秋山の作品を読んでみたくなった。
デメキング 完結版
デメキングがついに完結!!…が、期待はいろいろな意味で裏切られる事となった。
終わり方としては前回の「未完」の大きな引きにまさるものはないと思うけど、
こういう形で完結ってのはファンには残念だろう。
ちなみに書き下ろしは2ページ、これで想像は付くと思うがあえて書く。
インタビューでのデメキングの構想がまたスゲー面白そうなんだよなー、ほんとファンには酷です。
作者は自信ないようだけど、デメキングは一級のエンターテイメントだよ。
いつかわからんけどリメイクに期待してる。