水滸伝 15 折戟の章(集英社文庫 き 3-58)
北方水滸伝、文庫最新刊です。
全19巻のうちの15巻です。前作から始まっていた宋の主力二十数万の軍勢対梁山泊の戦いが今回も厳しい戦況の中続きます。数にして十倍以上の敵を多方面で同時展開され、物量作戦に押しつぶされそうになる梁山泊の起死回生の賭けが成立するか否かが今回の巻の最大のポイントになります。
いくら英傑豪傑が揃う梁山泊といっても(そして立ち上がった民がいかに志が高くても)、相手は二十数万の正規軍。しかも国というものを背負い、豊富な補給を受けた軍隊が相手ですから、数カ所の拠点に籠る梁山泊もじりじりと押されていきます。十全の準備も罠も徐々に薄皮を剥ぐように剥がされていき、兵が日一日と損耗していきます。その中で隊長格、副隊長格のメンバーも命を失っていきます。どこかの巻のレビューでも書きましたが、この北方水滸伝では原作と違って、梁山泊のメンバーが次々と命を落としていきます。原作では死なないメンバーがどんどんと命を落としていきます。それぞれが信じる未来、志の為に命を落としていきます。読んでいて悲しくなるくらい、そして恐ろしいことに読んでいるほうがそれが当たり前のように感じるくらい死んでいきます
ある意味、本当の戦争でもこれが一番怖いことなのかも知れませんが、人があまりにたくさん死に続けるとそれが中心人物であってもなくても、ただただ戦いだけが生き物のように継続の意志を持ちはじめ、生け贄を求めるようにより多くの血が流れ、当事者はそれを当たり前のように受け入れてしまうのかも知れません。この巻でも片手にあまるほどの梁山泊のメンバーが死んでゆきました。
そして、そういう犠牲の中で、梁山泊は起死回生の博打のような一手を打ちます。そうでもしなければ押しつぶされる事が確定してしまうような戦況だったからですが、果たしてそれが成功するのかいなか、どんな策なのかは読んでのお楽しみです。
さて、この物語を読んで毎巻思うのは、この物語の中の登場人物がみんな「熱い」ということです。
末端から宰相まですべての役人が腐敗しており、民がひたすら犠牲になる。道理が通らず、要領のいい人間だけが得をする。お金をたくさん持っている人間は人並み以上の暮らしをやすやすと維持し、持たざるものは毎日苦しみながら生活していてもそれでも生活は全く安定しない。働けど働けど搾取される。しかも、官僚はお互いをかばいあい、そのツケが誰かにまわされる。人の命が極端に軽く扱われる。まるで、今の日本そのものです。そう考えると、我々は本当は持つべき「怒り」や「熱さ」というものをどこかに置き忘れてきてしまったんじゃないか、ただただ今食べるものに本当に困窮していないだけ着るものもないところまではなっていないというだけで飼いならされていて、本当はひどい国に住んでいるのに何もせずにただ傍観しているだけなんじゃないのか。そんなことを今回は改めて強く思う巻でした。
SRDX 幻想水滸伝V リオン
フィギュアについてあまり詳しくないのですが、フィギュア自体の出来は良いと思います。
しかし、片足のみの固定ではバランスが悪く、どうしても傾いてしまうのが気になります。
せめて両足の裏で固定をすればよかったのではないでしょうか?
あと武器が落ちやすいのも気になるところです。
バランスの悪さ、小物の落ちやすさ等は他のフィギュアでも指摘される点だと思うのですが、
もう少しその点に注意しておけば星5つでも良かったかと思います。
蒼穹の声-Voices Best-
リーダーで作曲家の星吉昭さんが58歳で亡くなられてから2年が経とうとしています。
星さんが残された姫神ヴォイスを伴った作品の数々を聞いていますと悠久の大河の流れのようにゆったりとした雰囲気を持っており、時代を超越したような音楽なのがよく分かります。このCDはその中で、ヴォーカルものを集めたベスト盤です。
幻想的なシンセサイザーと高音域に良く響き渡る姫神ヴォイスの融合は時空を超えて太古の世と未来とをつなぐかのような広がりが感じられます。
どの曲にも感じることですが、人の声というのは温かみと懐かしさが同居したものですね。
意味のある歌詞ではなく、不思議な母音と子音とで構成された言葉の響きがまた魅力的なのです。
初めて接する曲からも、日本やアジアの本来のハーモニーを感じ取ることが出来ます。どこか身体の奥底に潜んでいる伝統の音楽の系譜をたどるようですね。
冒頭のアルバム未収録曲の「愛を超えて」からラストの「未来の瞳」まで、他では聴くことの出来ない不思議な地声唱法がステキです。幻想的な声が織り成す音楽世界が広がっていきます。
モンゴルのオットフォン・バイラさんをフューチャーした「祈り遥か」と「森渡り」や、畠山孝一&社中の「明けの方から」等を聴いていますと、アジアの音楽に共通する特徴的な音の響きのつながりを感じました。
幻想水滸伝 ティアクライス ベストセレクション
DSで下手なソフトを購入するより何倍も楽しめて感動できる作品です。
幻水ファンとして1〜5全てプレイしてきましたが、全く違う展開とPVを見て最初は買うか迷っていました。
今時のRPGな気がして買う気が起らなかったのですが、相変わらず幻水には期待通りに泣かせられました。
いつも喋らない主人公ですが、今回は堂々と一番話してます!違和感は正直無かったです。
ベストのこの値段なら安すぎると思う程良い作品でした。
展開は相変わらず幻水らしいおなじみの個性溢れる重要なキャラ達や、
武器、紋章(今回は少し違った設定の仕方)人間関係が面白く絡み合って、より分かりやすく
ストーリーが流れていくのでプレイしていて引き込まれセーブするのを延長してしまいました!
DSだからと舐めてはいけなかったと反省しています。。
本当は6人パーティーがよかったけど、DSのキャパなら4人で正解でした。
どんどん増えていく仲間や人間同士の関係や絆が垣間見れて、戦闘もクオリティが良くて楽しかったです♪
城レベルや、それぞれの細かい工夫がとてもできていて飽きないです。
キャラは濃くなるけど、話は幻水らしいので、ぜひ幻想水滸伝を知らない方、失敗ソフトを買ってしまった方に一度試しにやってみてほしいなと思いました。
関係無いですが、PSPの幻想1&2も最高に素晴らしいです。
幻想水滸伝3-運命の継承者 1 (MFコミックス)
PS2幻想水滸伝IIIをプレイした方おすすめします!
絵柄もストーリーもゲームからかけ離れる事無く好印象でした。
この1巻はヒューゴ中心の話ですが、グリフォンのフーバーとの出会いなど
ファンなら知りたい物語が読めますよ!