フルメタル・ジャケット [DVD]
どストレートの反戦映画の佳作!
含意や象徴や記号はあるが(たとえば、緑の巨人)
まんまの反戦メッセージを受けとめるべきなんだろな
キューブリック監督をはじめとする制作陣は
記号論的なテキスチャ作成をかなり控えたのかな、と想像できるから
しかし、もしそうであるなら
ドラマ性すら抜き去ってもよかったのかもと思えてしまう
(『ハート・ロッカー』的な脱色の徹底!)
その辺りの不安定さが
キューブリック相変わらずの完璧な画づくり、音づくりと同居する
キューブリックの代表作とはいえないかもしれないが
凡百の映画と同じでないのは もちろん云うまでもない!
観て損なし!
リー・ライアン(期間限定)
ブルーのリー・ライアンのファーストソロアルバム。
詩的なギタートラックに、ブルー調の軽快なダンストラック、ソウルフルなバラード、イーグルスを彷彿とさせるものまである。サウンドはピアノ、アコースティック・ギターが中心的にフィーチャーされていてアルバム全体に統一感がある。どの曲もしっとりと自然に歌いあげていて、リーの高音で感情のこもったヴォーカル(かなり上手い)が堪能できる。心地よい。
天才リーの初ソロアルバムは申し分ない仕上がり。今後にも期待しています。
バトルガンM-16+狼よさらば/地獄のリベンジャー(初回生産限定) [DVD]
複雑なストーリーは抜きで派手な撃ち合いや爆破を堪能したいならバトルガンM―16がオススメ!
前作に続き、派手にやっております
また日本語吹き替えで納谷吾郎さんの声はザカライアスではなくネイサン・ホワイトでした…
特攻大作戦 [DVD]
40年前の1967年に製作された、戦争を題材にした映画であるが
通常の戦争映画とは多少趣を異にする映画である。
出世やアピールよりも実情を重んじる硬派のライズマン少佐が
重罪で死刑、長期刑の囚人12人(オリジナル題名Dirty Dozen汚れた12人)を鍛え直し、
第二次世界大戦の終末ナチスドイツからヨーロッパを開放したD-DAY
ノルマンディ上陸作戦につながる極秘作戦を決行すると言う物語である。
最初はバラバラで少佐の言う事など聞かなかった12人が
少しずつ仲間意識を持ち、少佐を信頼し、チームとして周りの軍隊以上の動きを見せるようになる。
と言うか、少佐が非常に頭が切れ、12人それぞれの特性を生かし、
チームとして結束していくように仕向けるのが妙技である。
ただ40年前の映画と言う事もあるのか、現代の汚いひねくれた社会風紀とは異なり
軍隊にしても、囚人と言えども、非常に真っ正直でタフでシンプルである様に感じる。
正直Dirty Dozenよりも、現代社会は汚れてひねくれているように思う。
当時の真っ正直な時代、人物背景と堅気の音楽とマッチし、ユーモアも盛り込まれ見ていて気持ちがよい。
ただ終盤までのチームとして結束していく場面は心地良く見られるが、
最後の特攻作戦では、敵と言えども女性も含めて残酷な殺し方を平気でする場面は
非常に痛ましいものがある。
敵がナチス・ドイツ軍のため、ヒトラーが行った惨殺に対しての報復を示唆しているのだろうが、
このあまりに残酷な場面と、愛着を持ち始めた汚れた12人が戦闘で死んでいく様で
やはり戦争映画だったと言う事を痛感させられる。
ナチスドイツ掃討につながる作戦で、彼ら12人は本来は英雄として奉られるはずが、
囚人の極秘作戦など表に出るわけもなく、それが更に12人に対する切なさを募らせる。
ただいずれにしても、当時この映画が製作された真っ正直な時代、
ロバート・アルドリッチ監督と戦争の壮絶さに鬼気迫る演技を見せてくれた時代の名優達に敬意を表さずにいられない。
p.s 余談だが、ライズマン少佐を演じるリー・マービンはどことなくクリント・イーストウッドを思わせる。
またウォーデン将軍演じるアーネスト・ボーグナインは、ルノー/日産のカルロス・ゴーン社長にどことなく似ている様に思える。