のりりん(2) (イブニングKC)
絵がすっきりしていて好みです。
鬼頭莫宏というと陰湿な残虐さがクローズアップされることが多いですが、
この作品にまったくそういった空気は存在しません。
(将来的に「今のところは」と言った前置きが必要になる可能性は否定できませんが)
作者の趣味であろう自転車の話がのびのびとえがかれています。
今ところ悪い人が一人たりと登場しません。(これはかなり驚き)
こうなってくると、この作品の良さは"作者が本当に楽しんで描いている"ところが伝わってくるところでしょうか。
その分、いつもの著者の作品を知っている人にはものたりないところはあるかもしれませんが
十分楽しめる所と、これまでよりさらに洗練された絵柄が良かったので星5つで。
テレビアニメ『ぼくらの』DVD Vol.7
最初なんて残酷なアニメだろうと思いました。
でも、少しずつ見ていくうにちに、これは戦時中の特攻隊の話だなと思いました。
一人一人にかけがえのない人生があり、それでも戦いに巻き込まれて逃げられない
狂気、強制的志願に近いものがると思いました。
その中で少年少女達が一人一人が覚悟を決めていく、その中で死にたくないという葛藤もあり、
残した家族の事を思い、敵は悪者ではなく敵にも自分達と同じ守りたい家族がいて、絶対服従しなければいけない存在がいてまさしく戦時中の特攻隊の話そのものではないかと思いました。※ちょっと腹立つが戦争儲けてる奴り
少年少女が入りやすいロボットアニメで、それを表しているのではないかと思いました。
現代の家族の問題までもりごんで少々もりこみすぎではないかと思う点も多いが、
子供は親が選べなくて、どんな親でも子供にとっても大事な親で家族であるという現代のリアルをもりこみたかったのかもしれないが、もう少し中心をしぼって単純にしてもよかったのではないかと少し思いました点もありました。
でも、この作品は命の大切さ、儚さを表している作品だと思います。
ただ残酷なだけではない、二度と同じ過ちを犯してはならないと
もっと身近なリアルさで訴える作品だと思います。
製作者の思いが伝わる心に残る作品だと思う。
見かけの残酷さにとらわれないで是非見ていただきたい。
なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)
殺人をどこまで正当化できるか。
まだ1巻しか出ていませんが鬼頭氏がこの漫画で問いたいテーマはこれではないのかと思います。
普段私達がマナーを守らない人を見ると思う「死ねばいいのに」という考えを実現することができたら―
そんな能力が許されるべきなのかはたまた許されるべきではないのか、非常に興味深い漫画です。
この漫画のテーマは現行の死刑制度や戦争の是非をも問うものではないでしょうか。
テレビアニメ『ぼくらの』DVD Vol.5
とある中学一年生たちが「プレイヤー」となって自分の命と引き換えに地球を守る話。
第5巻はダイチとマコの戦いへの足跡が記されています。
彼らの人生は他人と比べて決して幸せなものではなかった。それでも愛する、守るべき人が彼らにはいた。
その点では、誰一人守ることもなく、孤独の中で死んでいったカコよりは幸せだったんじゃないかと自分は思います。
「ぼくらの」に登場する少年少女はそれぞれに複雑な人生を背負っているので、地球の運命云々よりも、彼らの人間模様にとても興味をそそられます。
あと、
OPの「アンインストール」はジ・アースに乗せられた少年少女の心境をものすごく写実的に描写していると思います。歌詞のフレーズ一語一語に意味が込められているなと感じました。
テレビアニメ『ぼくらの』DVD Vol.6
一話ごとに「プレイヤー」が命と引き換えに自分達の守るべき地球を守り通す。
この巻ではモジとアノ・マキがプレイヤーとなって、彼らの大事な守るべきものの為に戦いを貫き通します。
「ぼくらの」に登場する少年少女は一人一人の生き方がとても複雑なので、興味深く彼らの人間模様を観察させられます。
何気なく口にするステーキの肉も、もしモジやアノのように、誰かの幸せの為に命を差し出したものだったら(そうだと考えたい)、僕らはそれを喜んで美味しく頂くしかないのでしょうね。