モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]
本作品は、ゲバラが医学生のころに、モーターサイクルで南米を旅した時の話である。
キューバ革命やボリビアでの戦いが起こる前であり、
それらを描いた映画に比べると、
後に歴史的人物となるゲバラの青春を描いたような、さわやかな作品ではある。
この作品の主な価値は、
若きゲバラが南米旅行を通じて影響を受けた対象が明らかになりながらも、
ゲバラが何を感じたのかについては、明らかにされていないことである。
すなわち、映画中のゲバラの口からは語られないことで、
私たちは、影響を受けたものと、
キューバ革命やボリビアでの出来事など、史実を結び付け、
自由な考察をすることができる。
そして、行動の端々に現れる正義感の強さ、弱者への共感、適度な自己主張、
全体を見る力、仲間を思いやる気持ちなど、後の活躍につながる片鱗を見出すこともできる。
ほかの作品と合わせてみることをおすすめする名作。
モーターサイクル・ダイアリーズ コレクターズ・エディション [DVD]
チェ・ゲバラの革命家になる前の話。男二人旅に出るのですが、さすが、チェ・ゲバラ。考えることもスケール大きいなあと。
初めの頃は、二人はもめたりしていましたが、アルゼンチンを出発し、様々な人達との出会いによってある方向に向かって成長していきます。ハンセン病病院に訪れた際は、彼は患者達に誠意的に接し、患者達の心を開きます。こうした、様々な出会いからチェ・ゲバラは革命家を志したのだとわかります。
チェ・ゲバラに関する詳しい説明は、知識不足で出来ませんが、この映画は、チェ・ゲバラ抜きに考えて、ロードムービーとしても楽しめます。南米大陸の文化・風土などが楽しめます。美しい映像が多いです。
また、主演のガエル・ガルシア・ベルナル。初めて見ましたが、うまいですね。映像特典もついててとても満足のいくDVD仕様になっています。
チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記
日記をそのまま翻訳しているような感じで、内容は、本当に日記ぽい内容のため、つまらない部分も多い。ただの金持ちのぼんぼんのきままな旅行の日記であるから、紀行文としての価値は低い。
しかし、最初は無自覚に無軌道に旅しているだけだった若者が、だんだんと庶民の生活に対して考えを深めていき、そしてこの旅で培われたものが彼を革命家へと導いた、という事実を前提として読むと、なるほどなるほど、と読まされてしまう。
前半と後半とでは、明らかに著者が考えていることに変化が生まれている。人間は短期間で変わるものなのだ。この旅は、間違いなく彼の人生を左右し、またそれが南米大陸の運命を左右したのだ。
南米を旅すると同時に、一人の人間が若いボンボンの医師から革命家に至る過程を旅する、人生の旅を描いた良書だ。「旅に行きたい」という気持ちを大きくする、という意味では、これほど優れた紀行文もないだろう。
映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」オリジナル・サウンドトラック
映画のサントラは、実際に映画を観てる時に聞くのとは違うことがあるので当たり外れがあるんだけど、目をつぶると観たままの映画の光景が浮かんでくる。
イメージからくる南米の明るいラテンミュージックというより、あくまでも映画の為につくられた曲として、民族音楽を上手く使いながら構成されていると思います。
私は、もうサンタオラージャという人のギター演奏にメロメロです。
夜広大な南米の大地に想いをはせながら聞きたい一枚です。
モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)
素直で人好きのするラテンの若者ふたりが口八丁手八丁で宿と食事を得ながら貧乏旅行をする中で人々の暮らしに触れ、土地の違いを見聞し、国は違っても人間の本質は変わらないんだと学んでいく様子はとても感動的だし、希望が持てます。本人が意識してなのか無意識なのかわからないすっとぼけたユーモアのある文体も楽しい。
ゲバラがこの本に書かれているアメリカ縦断旅行を敢行したのは23歳くらいのときで、だから当然書かれている内容はいかにも若者らしい無茶や未熟、いたずらだったりするんですが、根っこに流れる素直でまっすぐな心、弱者への思いやり、人種や階級や美醜で人を差別しない公正さなどが後に偉大な革命家になる人物を髣髴とさせます。