早春スケッチブック DVD-BOX
リアルタイムで観ていた当時は、視聴率もあまり良くなく、周りの友人でも観ていたのは数人だった。しかし内容は素晴らしく、山崎努扮する沢田竜彦のせりふのひとつひとつが非常に印象に残った。有名な「ありきたりなことを言うな!」というセリフだけではなく、「人間はその気になれば、いくらでも深く、激しく、ひろく、やさしく、世界をゆり動かす力だって持てるんだ」「人のために生きたいが、どうしても自分本位になってしまう、そう思っている奴の方が、目がさめている」などのセリフを今でも事あるごとに思いだすことが多い。
これらの名セリフを生んだ山田太一の脚本の素晴らしさは言うまでもないが、山崎努の演技(電話のコードを頭に巻きつけ頭痛発作の苦しみに耐える姿、死の恐怖に打ちひしがれて小便を漏らした時に息子が訪ねて来た時の狼狽ぶり、洟をたらしたまま静かに泣いている姿、寒い日に良子と歩くセリフのない場面)にも圧倒され、当時は沢田の言葉に感化され、自分も「ありきたり」ではない人生を送りたいなどと考えていた。しかし、すっかり「ありきたり」な日常を送るようになった現在、観てみると、当時はほとんど魅力を感じなかった河原崎長一郎扮する平凡な父親が、仕事や家庭を守るために孤立気味になっていく中盤や、一大決心をして自分を変えて沢田の家に押しかけて行く場面が印象に残り、山田太一が本当に描きたかったのはこちらではないか?とも思う。
視聴率優先の今のテレビ業界では決して製作されないであろう。たとえ製作されても、山崎努のような存在感や、河原崎長一郎のようにリアルに平凡な小市民を演じきれる役者がいるだろうか?
おれは男だ! Vol.3 [Blu-ray]
Vol.3の白眉は「ナツコ・オン・ステージ!」でしょう。歌手デビュー直前の初々しい石橋正次さんと、可憐な今は亡き小野千春さんが魅せてくれます。ラストは泣けますよ。
男たちの旅路 オリジナル・サウンドトラック(紙ジャケット仕様)
1978年のオリジナル・アナログLPのクレジットは、
●作曲・編曲:ミッキー吉野
●演奏:ミッキー吉野グループ(ゴダイゴ)
●曲目:男たちの旅路/吉岡司令補のテーマ(哀愁)/若者のテーマ/若者のテーマ(朝)/
追想/走れ!!陽平/冬の樹/悦子のテーマ/海(釧路まで)/シルバー・シート/
ガードマン出動/墓場の島/海(夕日)/真夜中の警備/吉岡司令補のテーマ/
若者のテーマ(回想)/別離。
シリーズ第3部までの9作からのサントラ。何度もレコードに針を落とし、CD化を30
年待ちました。清々しく軽快な「若者のテーマ」、夕陽の中に立つ吉岡司令補のイメージ
「吉岡司令補のテーマ」、悦子との「別離」は美しく胸に迫る曲。
とにかく、リイシューが嬉しい。
この他にも、シリーズ第4部「流氷」で、根室発列車の中で使われた曲や、「車輪の一歩」
で効果的に使われた「THE SUN IS SETTING ON THE WEST」など、良い曲がまだまだあります。
いつかCD化を、ぜひ。お願いいたします。
あけろ!ケイサツだッ!!探偵&ポリスアクションMUSIC FILE
刑事&アクションドラマの、ごった煮ミュージックファイル(笑)です。個人的に、「いろはの“い”」や「火曜日のあいつ」のテーマを聴きたくて購入しましたが、「火曜日…」のテーマ曲は、「俺勲」のテーマと同じく、実際にTVでオンエアされていた物とは微妙に違うのでがっかりしました。「燃えてるあいつ」も、小野寺昭が歌っていた、エンディングテーマ版の方を聴きたかったですね。
でも、流麗なアレンジとダイナミックなサウンドの融合が素晴らしい、「華麗なる刑事」のテーマがリマスターVer.で聴けるだけでも買い!です。(それにしても、ジャケットのデザインは最悪…)。
あと、欲を言えば「夜明けの刑事」のあのテーマ曲が入っていればなぁ…と。