Ring-a-Bell
「深呼吸して」の女のコがその後どうなったんだろう?「約束の場所まで」の歌詞はその後の姿をイメージして描かれていて、等身大。大瀧云々…は抜きにしても良いアルバム。渡辺満里奈はこれを最後の歌手から引退するが(厳密にはこの後にシングル一枚あり)、ここまでクオリティ高いと仕方がないのかな?とも思ってしまう。アイドルの最終作品としては、バッチリの一枚。「うれしい予感」には山下達郎もコーラス参加しているようですが、「金曜日のウソつき」の歌詞に顔文字がある(笑)(;_;)←これは当時としては斬新のような気が…。
Lifetime
ジミ・ヘン、レッド・ツェッペリン、エアロスミス…など、往年のロック・ミュージシャンから多大な影響を受け、そのエッセンスをちりばめたアルバム作りをしているのがグレイプバインだ。オーソドックスなハードロックを、抜けの良い荒ぶるサウンドで豪快に聴かせてくれる。メンバーの技量も高いがこのバンドは「テクニックひけらかし」の方向には走らず、ひとつのバンドとしてのバンドサウンドを全面に打ち出そうとする意識がアレンジからも伝わり、大変好感が持てる。全体的にミドルテンポの楽曲が多く、ハデなギターの音が全体を引っ張るが、アコースティック・ギターをVoのバックでかすかに鳴らすなど、曲構成のアイディアも豊富に持ち合わせている。甘い声と“巻き舌”で歌うVoは、エアロスミスのスティーブン・タイラーを彷彿させ女性ファンを多く掴んでいるが、声帯の細さは否めず、聴いていて若干ツラくなる場面があるのは事実。またギターはテクニック、アイディアとも申し分ないが、音の表情にやや乏しく、その結果アルバムを通して聴いた場合サウンドが妙に平べったく感じられてしまうのが残念だ。ただしこれだけバリエーションあるアレンジを全て自前でやっているという事からわかる通り、70年代のロックをメンバー全員が咀嚼し表現出来る、現在の日本において非常に稀な存在の若いロックグループであり、レコード会社や所属事務所がプロデュースの方策を早く確立してあげて何とか大輪の花を咲かせてもらいたい“原石のようなバンド”である。