君が人生の時・・・
浜省の歴史を前・中・後期にザックリ分けると、本作はポップス路線だった前期のエッセンスが集約したものであると思う。この後、『Home Bound』からは現在に至るスタイルになる。
1曲目はTVCMに起用され、確か「○のヒットスタジオ」にもこの曲で出演したはず。ちょっとは売れたようである。しかしながら本作自体は余り売れず、本人曰く、どうせ周りの言うことをいろいろ聞いても売れないなら、好きなことをやってやれ、という思いで作ったのが『Home Bound』だそうである。そして『愛の世代の前に』等で徐々に評判を上げ、『Promised Land』でついにベスト10入りを果たした。
と、ここまで書くと本作は駄作か、思われるかも知れないが、決してそんなことはない。逆に、1曲1曲が試行錯誤の末のレベルの高さがうかがえ、素晴らしいポップスアルバムであると断言できる。陽があたらなかっただけなのだ。
スコーンと抜けた青空を思わせる気分爽快な1曲目、恋愛の切なさと苦しさが胸に迫る5曲目、7曲目は『北の国から』に挿入歌として起用されたが、発表時から多分10年以上経過していたと思う。にも拘わらず起用されるのは、やっぱり良いからなのだ。最後の本作タイトル曲は、浜省全ての曲の中でも、珠玉の1作だと思う。
大人の「男」になる85ヵ条―課長 島耕作から君へ (講談社ニューハードカバー)
自分の周りの身近な男をチェックするのにいい。
85か条全部実践できる人っていないと思うけど、
男をチェックするポイントが自分なりに養える。
ベートーヴェン:歌曲全集
曲目を見ても知らない曲ばかり、それもそのはず、主にベートーヴェンが若い頃に作曲したもの。
伴奏のピアノだけを聞いていると、ベートーヴェンの作風も随所に見られるのが分かります。
軽やかな曲調が多く、朝のBGMやリフレッシュ時に聞きたくなるような感じです。ペーター・シュライヤーの歌声も甘美。
様々な作者の詩がメロディーに乗って流れるのを楽しむのもいい、貴重な曲集。マニアな方におすすめです。
たけしくん、ハイ! (新潮文庫)
筆者の子供時代にあった出来事やそれによって何を感じ取っていたかというのが書かれています。
現代の子供たちでは感じ取れないであろう出来事がたくさん書かれています。
率直な感想としては、子供時代のことをよく覚えているなぁ、ということでした。
内容はテレビと違って、物語性はなくエピソードを集めたエッセイ集といった感じではないでしょうか。
読んでいて、自分の子供時代を思い出し懐かしくなりました。
きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉
本書はワタミ社長・渡邉美樹さんがワタミグループで働くアルバイトへのビデオレターを元にしている。よって内容のほとんどが自社の理想の高さを延々と書き連ねたような印象も受けるが、たくさんのアツい言葉はそれすら打ち消すほどの気持ちがこもっている世の中へのメッセージです。
特に好きなのが
「仕事と思うな、人生と思え」 そのプロセスを武器にして今後の人生を歩む。
「人格というものは、常に日頃の立ち振る舞いにも表れる。だから誰が見ていようがいまいが、人間は常にピシっとしていなくてはいけない」
「チームの一人ひとりが、『自分が戦って勝つ』というチームでありたい」
「周りと比較するな。自分の『昨日』と比較せよ。
「希望とは人間の中にある」
「当たり前を当たり前と思う人に、成功はない。」 自分があって、その自分を支えてくれる人がいて、さらに夢を持てる状態があって、そこで初めて『こうなりたい』という思いは生まれてくる。
「神様は不公平ではない」 金持ち・貧乏、頭のよい・わるい、格好がいい・わるい、足が長い・短い、そんなことは人間の価値基準ではないのだ。そんなことを神様は何とも思っていない。神様は何を思っているのか。それは、『貧しき者は幸いなり。病める者は幸いなり』。聖書から
病めるものは病める者の気持ちがわかるから、そこに思いやり、優しさが備わる。
今年9月、世田谷のワタミ店舗内でノロウイルスによる食中毒が発生した。「週刊金曜日」11月5日号によると、その店舗が一時閉店を知らせる店頭の張り紙には「設備改修および店内清掃」というのが理由となっており、食中毒があった事には触れない内容であったという(公式サイトでは処分について掲載している)。
無論、飲食店にとって食中毒があったという事実は死活問題であるから、できれば大事にはしたくないだろう。だが、本書にあるワタミの理念の一つ「接客は客を自分の大切な人と同じように思え」という考えからは、ひどくずれているし誠意が足りない。
ただ、こういった厳しい指摘もワタミのサービスに対する消費者の期待が大きいことの表れなのかもしれない。
学生のころ友人5、6人とワタミへ飲みに行き個室の中、大きな円い座卓を囲んでバカ話をしながら飲み食いしていた。うまく言えないが、あの空間がとても温かく感じたのは、たぶん店内の雰囲気がそうさせたのだと思う。誠意のこもった店員さんの応対は今でも覚えている。