大江戸神仙伝 (講談社文庫)
この作品が世に出てから既に20年以上経っているが、今でも面白さは変わらない。江戸時代にタイムスリップした主人公が、現代の知識などを活用し、江戸での活躍をする話で、物語として純粋に面白い。
知識があって女性にもてて、楽しい思いをする主人公は、こんな経験をしてみたいと思わせる。江戸時代の情緒や町人の暮らしに関する知識本としてみても優れもの。この後、続編が続くが、第一作であるこの作品がベスト。
大江戸妖美伝 (講談社文庫)
表紙の素足のいな吉がとっても可愛らしい。そして、なんと言っても著者が書いた庶民ののんびりした暮らしを朝から晩まで味わいたい。
そして、唯一行ってみたいのは浅草広小路にあるという<みの勝>。江戸のレストランでランチタイムを体験したい。
大江戸リサイクル事情 (講談社文庫)
今、環境問題が深刻化しています。
エネルギーを始めとする天然資源は過剰消費され、廃棄物処理場は不足し、温暖化ガスは増加する一方です。
国を挙げた省エネ、リサイクル、バイオマスの活用が求められており、北欧やドイツにおける成功例が多く紹介されています。
しかし、これらの取組は、人口、気象条件、社会条件が異なる我が国では、必ずしも成功するとは限りません。
江戸時代、我々の御先祖様は、植物、つまり短期間に国土に降り注ぐ太陽エネルギーだけを徹底的に活用した循環型社会を築いていました。
決して豊かな生活ではありません。明かりは字も読めないほど暗く、移動手段はすべて徒歩、あらゆる日用品は何度も使い回されていました。
しかし、江戸の人口は西欧諸国のどの首都よりも多く、屎尿処理などの廃棄物問題にも、エネルギー問題にも無縁でした。
現代に比べれば不便。でも決して劣ってはいない。我が国の財産を徹底的に生かし切って、300年近くも持続した社会があったのです。
「伝統と文化」がなぜ大切なのか。本書を読めば自ずから理解できます。我々の未来のために、先人の知恵に学びましょう。