Good Morning Funny Girl
フルアルバムとしては4作品目にあたる本作品。「おはよう,ファニーガール」はドラマの主題歌で、ドラマの内容にあった小気味いい曲だと思ってドラマを見ていました。
このアルバムも過去の作品同様、とびっきりのポップス(「大人って 子供って」)と叙情的作品(「ラヴ…」)が織り交ぜられており、バランスがいい。しかし、今まで松任谷正隆だった編曲を熊谷自身が担当し、少しアレンジに不満が残る。
次作の「S・K」では見事に復活するんですが。
NHK少年ドラマシリーズ ユタとふしぎな仲間たち [DVD]
1974(昭和49)年放映。前年の「つぶやき岩の秘密」に続き、佐藤和哉ディレクターがオールフィルム撮り、そしてほぼ全編を-岩手県二戸市の金田一温泉周辺での、延べ一年間にわたる-ロケにより作りあげた、少年ドラマの佳作。脚本=早坂暁(名作多数。『北京原人』も早坂氏だが…)、音楽=渋谷毅(由紀さおりの名曲「生きがい」「初恋の丘」の作・編曲でも知られる。あの坂本教授も東京芸大で、渋谷氏に教わったとの由)といった一流のスタッフ、そして故・殿山泰司、左時枝らの実力派キャストと共に、基本的に原作を尊重しつつかなり大胆にアレンジを施し、楽しく、哀しく、そして愛おしい、子どもたちのための-いま見ると、むしろ大人のための、であるようにも思える-一級品のメルヘンとして仕上げている。
都会から来たユタ少年-演じる熊谷俊哉君は「よく見ると意外に美形」ってな系統の男の子。この後の少年ドラマ群でも活躍-と友情を育み、彼の成長を手助けする“座敷わらし”のリーダー、ペドロを演じる佐藤蛾次郎は、まさにはまり役(余談だが、彼の作る薬膳カレーは絶品らしい)。自在に動く手持ちカメラを前に、カメラ目線で語りかける彼がアップで映っている時間の記録的な長さも含め、彼のベストバウトのひとつとして推したい。のちに『機動戦士ガンダム』のフラウ・ボゥの声で知られることになる鵜飼るみ子も、ディスカバー・ジャパンな女子大生アンノン族トリオのひとり(セリフあり。緑の服の女の子)として姿をみせる。
なお、「つぶやき岩」のDVD同様、画質は良好。ここで見られるのは、芸術祭に出品-優秀賞を受賞-した際に再編集したせいか、展開が一部きわめて速い、1時間ほどのもの。(10分ほど長い)初回放映時の形で見られる日は来るのだろうか……。チャプターなし。
POISON KISS
爽やかさ溢れる楽曲に、澄み切った歌唱力。彼女の作品は、一貫して青空のような純粋な仕上がりとなっている。
このアルバムのお勧めは、彼女の出世作であり、TVドラマ『夏子の酒』の主題歌でもある「風と雲と私」が収録されていることだ。すでにSCDは廃盤されてしまったが、何度聴いても飽きのこない名曲として、今でもコンスタントに聴いている。最近は活発な活動をしていないようだが、美しく艶のある歌声は、未だ衰えることを知らない。岡村孝子や辛島美登里ほどの声量はないものの、あっさりとした心地良さが、何とも新鮮で嬉しい。長時間リスニングで疲れないのも、このせいだろう。
レコーディングの状態も良好だったようで、クリア且つ立体感のある音質。曲調は、どことなく「ル・クプル」に似ている。これから彼女の曲を聴きたいという方には、是非ともこのアルバムを推奨したい。
風と雲と私
最後に水道水を直接飲んだのはいつだったか。
子供の頃、外で遊んでて喉が渇くと、そこらで見つけた蛇口に口が付かんばかりに吸い付いて、そこから溢れてくる水を息を止めてゴクゴクと飲んだ。
或いは、友達のお母さんに「水飲ませて下さーい!」かなんか言って、酒屋のおまけで貰ったと思しきコップで差し出されたそれを、お礼もそこそこに一気に飲み干した。
美味しかった。
いつも特別冷えてたというわけでもなかったのに。
それどころか時々、錆の味がしたりもしたが、友達と顔を合わせて笑い飛ばしてしまった。
今、水は買う。
家で飲む時も、(我が家的には)高価な浄水器を通したそれを飲んでいる。
そして、もう二度と「水道水そのまま」には戻れない、のだろう、多分。
でも、それならせめて、浄水器。
それがこの曲。
何度“ろ過”させても、お酒にはなりませんし、“あの症状に効果的!”な効能も期待できません。
あくまでも「水道水」な曲。
でも、美味しかったでしょ?、あの時の水道水。
ドラマのイメージの先に、和久井映見さんの笑顔の更に向こうに、皆さんの「水道水」が今も溢れて出しているかもしれませんよ。
名水100選に入ってなくても、欧米で認知されてなくても、科学的に証明されてなくても、充分に美味しかった、あの味。
この曲で“ろ過”して、もう一度味わってみませんか。