僕はまだ何も知らない。
1stアルバムの「Innner Garden」を聴いてからこれを聴くと、改めてこの歌手の引き出しの広さを思い知らされる。
激しく力強い歌と静かで切ない歌が折り重なり合ってアルバム一枚の流れを作っているが、特に後半、「house」「Little Bird」と曲調を静かに畳んでいったところで、軽妙なテンポの「水槽の中のテトラ」に変幻し、ラストの「アイルキスユー」へと至る繋げ方が絶妙。
また忘れてはならないのが全曲を通したアレンジの素晴らしさ。多彩な歌唱が使い分けられるところに多彩な楽器を使い分けることで応え、巧に引き立て、際立たせている。
「古さを感じる」という意見もあるようだけれど、私はそれを受け止めた上で、こういった見方をしたい。
『石川智晶は、今の歌手が唄えなくなってしまった歌を唄っているのだ。』
荒野流転
「幕末機関説いろはにほへと」OPテーマソング。
アニメの世界観にマッチした民謡、舞踊といった和のエッセンスと「焔の扉」に似た曲調が合わさった、生まれるべくして生まれた名曲です。舞うような優雅さを伴った疾走感に、やみつきになりました。
カップリング曲は世界観のイメージががらり変わり、ダンスのようなテンポのよさを重視しつつ、ギラギラしない軽やかな一曲でこちらも素敵です。
「荒野流転」はアルバム「circus」にはバージョン違いが収録されています。こちらもオススメいたします。
幕末機関説 いろはにほへと オリジナル・サウンドトラック 其ノ壱
「幕末機関説 いろはにほへと」のサントラです。
劇中に流れる曲はアニメの感じにも合っていていいものばかり、早く曲名が知りたいし、たくさん聞きたいし発売が待ちどうしいです。とくにメインに流れている曲は最初に聞いたときからお気に入りなので最初から最後までしっかり聞いてみたいですね。
EMOTION the Best 幕末機関説 いろはにほへと DVD-BOX
まずこの作品は幕末を舞台にした本格アクション時代劇です。基本的には史実どうりにストーリーが進んでいきますが、要所要所にオリジナルの
設定や派手な演出を加えており和風ファンタジックな作風に仕上がっています。
なんと言ってもこの作品の魅力はその世界観と幕末という時代に生きる人々の描写にあるかと思います。和と洋が入れ混じった街並みや情景は浪漫が
あふれます。維新志士に新撰組、そして諸外国の脅威とまさに日本が激動としたこの時代は胸が熱くなります。
そしてこの作品は、「芝居」という要素をコンセプトの一つとして取り込んでいます。こういった要素を取り入れている幕末ものの時代劇は他にはない
ので、とても斬新ですね。それと物語の山場に「芝居」を利用した面白い仕掛けもあるので是非見てもらいたいです。
そしてキャラについてですが、主要キャラのビジュアルはかなり格好良くデザインされているのでみんな画になります。内面的な部分も主人公は宿命を
背負い、その他のキャラもそれぞれに尽くすべき忠義と信念がありとても魅力的です。
ストーリーについては前述した通り史実をベースにつくってあるので、歴史や幕末ものの時代劇が好きな人ならさらに楽しめると思います。その他には
主人公とヒロインの女の子との関係も微笑ましいです。特にヒロインが主人公を一途に想う姿は可愛かったです。
最後になりますが、音楽、ストーリー、キャラ、映像と総合的にレベルの高い作品だと思います。その中でもOPアニメーションの流れるような作画と演出
は一見の価値有りです。