Frampton Comes Alive (25th Dlx Ann Edt)
確か、93年にCDになり、アナログ音源をそのまま使用したものを所有してましたが、どうも、迫力にかけ、面白くありませんでした。まあ、ライブ会場で120db位ある音圧がLPレコードでは、35db位になり、70年代のライブLPは「迫力がない」のが当たり前でした。
ですから、元々音圧のないものはどうしようもないのであきらめてました。
ところが、最近のリマスター盤はライブ会場にいるような錯覚を感じるほど、音圧があり、特に、ドラムのキックの迫力は最高です。ベースも輪郭がはっきりしており良いです。
この、カムズ・ア・ライヴも迫力UPしており、アナログ音源盤とは、まったくの別物です。
追加された曲もあり、お勧めです。また、パッケージを開くと、どこかの野外会場がプリントされていて、当時の雰囲気も楽しめます。
スティーヴ・マリオット・ストーリー [DVD]
91年寝煙草による火災で焼死したスティーヴ・マリオットを回顧するDVD。インタビューが主体でライブ映像は少ないが、クレム・クレムソン在籍時ハンブル・パイの映像があるのがうれしい。「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」が丸々1曲収録してある。このライブ映像は本当に凄い。スティーヴの火の玉シャウトとパフォーマンスは、今まで見たスモール・フェイセスやピーター・フランプトン在籍時のパイ、また84年のパケット・オブ・スリーの映像とは比べ物にならない。160cm強の華奢な体から発せられる強烈なパワーはまさにダイナマイトだ。スティーヴの絶頂期がこの時期であることがはっきり分かる。この時期のものはもう1曲「ブラック・コーヒー」が収められている。スタジオでの映像と思われるが、ブラックベリーズとの息の合った掛け合いが聴ける。インタビュー映像に寸断されてしまっているのが残念。他にもこの時期の映像があるのだったら、ぜひ演奏をきちんと収録したDVDを出してもらいたい。
インタビューでは、スティーヴとの友情と確執の想い出に思わず目を潤ませるピーター・フランプトンが印象的。「こいつ友達思いのいいヤツだったんだな」と思った。頭も薄く地味なおじさんになったフランプトンを見て時の流れを感じる。他にインタビュー出てくるのは、ジェリー・シャーリー、クレム・クレムソン、グレック・リドリー、リック・ウィルス、サイモン・カーク、スペンサー・デイヴィス、クリス・ファーロウなど。
インタビューから見えてくるのは、浮き沈みの激しいロック・ビジネス、アルコールとドラック漬けの生活、その結果としての常軌を逸した行動・・・スティーヴも60~70年代のロック創成期を駆け足で生きたロック・スターの一人だったのだとあらためて思う。
※輸入盤のため字幕無し。日本でパッケージされたものは対訳ブックレットが封入。
Smokin
ファン以外にも知られたロック・アルバムだけれど、やはりどこかマニアックなカルト性もちらほら見え隠れしているのが元モッドの代表選手であるmarriott流。同時期の他のメジャー・レーベルのロック・アーテイストたちの動向とは確実に一線があります。音のタイトさ、方向性の明快さなど、ずっしりとした手ごたえ。録音も最高に良く、シャーリーのドラムなどは使用メーカーさえ聴き分けられる程。marriott自身最高にノッてます。イート・イットがルーツ寄りの最高作ならばこちらはロック寄りの最高作といえばいいか。ある意味彼のキャリア前半のピークはこの辺りかも知れません。勿論、パイ以降の彼も最高なんですが....。
Live in Concert
ロック・バンドとはつくづく不思議なものである。稀代のボーカリストにして、黒人より黒いと言わしめたS・マリオットと、今なお素晴らしい活動を続けているP・フランプトンという、2人の主役ががっぷり組んでスタートしたはずのハンブル・パイだが、片方の主役脱退→メンバーチェンジを経た後の方が、バンドとしての化学反応が良い方向に左右してくるんだからさ。
これはフランプトン脱退後のD・クレムソン加入により、よりブルース色を濃くしていった最中の1973年のライブ。バンドの方向性に一分の迷いもスキもない、一本筋の通った演奏は驚異のクオリティだね。うん、聴けばわかる!さすがにリアルタイムでは聴けていないんだが、この時期だけは、ほんの一瞬ではあるが、Stonesよりも強靭で、かつZEPよりも破壊力満点だったんじゃないかと思わせるほどに、このバンドの最良の瞬間を鮮やかにすくい取った見事なライブで、マリオットのハイトーン・シャウト凄さに圧倒されるね!
で、ロック・バンドとはつくづく不思議なもんで、この絶妙なバンド内のパワーバランスは、実は一瞬にして崩れ去っていってしまうんだもんね。そう、これ以降のパイは、「マリオット&ヒズ・バンド」としての色彩が色濃くなっていき、見事なまでに失速してしまうんだからさ。とはいえ僕は、ここで聴くことのできる“一瞬の輝き”が狂おしい程に大好きなんである。それにしても、70年代前半のロックシーンって、やっぱ凄いよね。