チャイナ・シンドローム [DVD]
尊敬する社会派ジェーン・フォンダとハーバード大卒のコメディアン、ジャック・レモンの夢の共演。原発の脅威と破壊的な危険性を告発した唯一の映画。共演のマイケル・ダグラスは当時(1978年)も今も格下。今ほど保守ではなかった。ジャック・レモンはインテリだが喜劇俳優と見做されていたが本作では一転してシリアスに。後にチリ・軍事クーデターへのCIAの関与を告発した「ミッシング」でカンヌ映画祭主演男優賞。ハーバード大リベラルの根性を示す。偉い。この映画封切の後にスリーマイル島原発大事故が起こり予言的映画となった。あなたもこのDVDを見れば「北」の核の脅威なんぞ屁みたいなもんだと実感することだろう。TVキャスターを演じるジェーンは輝かしい魅力でこんなキャスターが存在したら日本も救われるだろう。ジェーン、ジャックの根性の二人に昔は左だったマイケル・ダグラスの優れた演技も見所。
チャイナ・シンドローム [DVD]
China syndrome=原子炉の破局的事故
米国で溶融した炉心が中国まで達するほど大きいという意味
政府や、電力会社やら建設会社といった世界的大企業が
行うことは「絶対安心」なんていう「幻想」を
打ち崩すものです。
システムが何とかうまく機能しているという「幻想」の中を
私たちは生きていることに気づかされます。
政府や大企業の名の元でも、原子力発電所を設計し、
管理し、動かしているのは私たちと変わらない人間の手です。
自動装置だってもともと設計しているのは人間です。
手抜きや判断ミスというヒューマンエラーが起こることは
当然だと再認識させられます。
極度の緊張と絶望の中にたたずんだジャックレモンの表情
現実とテレビの前の世界を瞬時に切り替えるジェーンフォンダの姿
現場で「幻想」でなく「現実」の世界を生きる人を見事に捉え、
最後まで緊迫感のあるつくりでした。
脚本も俳優の演技も素晴らしい名作だといえます。
四半世紀前の作品ながら、先の美浜原発蒸気漏れ事故を
軽々と予感させられる内容です。
この問題点はまだ解決していない、そんな印象が残ります。
恐怖の2時間18分 (文春文庫)
著者である、柳田邦男の他の本について、あまり問題無いと考えるますが、この本だけはちょっと別格になります。まず、内容においては原発事故の代表であるスリーマイル島原発についての検証が行われています。内容も新聞方法の範囲で収まる無難な本にはなっていますが、他の著者の本を読まれた方は奇異な感触を覚えるのでは(私もその一人でした)。とゆうのは、この本の出た後に他の著者により明らかにされた問題を、当時の著者であれば書けたのでは無いかとの思えてならないのです。確かに、この本を読んで著者の指摘する問題点は大いに参考になる貴重な指摘であろうと思われますが、「何か奥歯に引っかかっている」ような筆者のもどかしさを感じる本です。
悲劇が進む―新版 四番目の恐怖 (講談社文庫)
今回の福島原発で何が起きているのか、この本を読めばすぐに分かります。
水素が溜まる現象も、メルトダウンもまるで予言所のごとく正確に。
これは日本の今と、未来を書いた本。
ぼくたちは、避け得る未来を避けられなかった。
経験にさえ、学ぶ事の出来なかった罰。
その対価は、あまりにも大きい。
ジョン・ウェインはなぜ死んだか (文春文庫)
アメリカ経済構造に多大な影響力を及ぼした原子力産業、彼らの所業とは、正体とは、アメリカ政府さえも動かす原子力シンジケートの姿が見えてくる原子力産業の危険性を捉えた警鐘の書