列車通り Classics「相模線」 茅ヶ崎~橋本 [DVD]
今の相模線しかわからない人にとっては、
驚くほどの田舎風景に見えてしまうかもしれません。
途中の2駅では、帰宅する学生客が大量に乗り込んできます。
それまで平穏だった車内が、
2両編成の中にギューギュー詰めの学生客の賑わいとなります。
江ノ電―懐かしの電車名鑑 JTBキャンブックス
湘南倶楽部(編集)の本は2種類ありますが(両方持っています)
こちらの方は同じ100年の歴史でも車両解説、鎌倉駅や藤沢駅、そして鵠沼駅周辺の橋の変遷等、江ノ電の車両、路線、路線建設などからの会社の沿革(沿線のガイドではなく)の解説が中心です。
昔の京都市電クラスの小さな電車から500系(旧型)登場時の舗装していない道路等今とはかけ離れた風景写真など湘南倶楽部のもう一つの本と違った(この点はうまいです)100年の歴史と江ノ島のエスカー(これも江ノ電経営です(驚))等と車両解説が写真、絵図面とも充実しています。
残念なのは、沿線の見所は江ノ電会社から見た沿線という面があるため、必然上少なくガイドブックとしてはやや不向きであることと(車両、(急カーブ等個性的な)路線の面白さのファンは別)
平成15年出版なので最新鋭新500型の解説の無いことですが、これは仕方がないでしょう。
江ノ電写真集―湘南の風吹く街を走り抜けた車輌たち
私は昭和19年の鎌倉生まれですが、当時、江ノ電は今の二の鳥居、鰻の浅羽屋の反対側あたりから確か横須賀線のガードをくぐるように走っていました。まだそのころには駅前に人力車のたまり場もありました(最近の鎌倉でみられる観光用の人力車とは違う、無法松の一生に描かれているようないわばタクシー代わりの交通手段としてのものでした)。 海岸沿いの134号線、通称湘南道路もまだありませんでした。江ノ電はその当時から走り続けて今日に至っているわけですが、それもその筈でこの写真集の解説によると明治35年9月に開業した日本で6番目に古い鉄道だそうです。
普段この電車を利用されない皆様に路線概略をお知らせします。JR駅に隣接する藤沢駅からゴースローのなんともゆったりとした走りで、単線ですから間で5回切り替えをしながら13の駅をへて鎌倉にいたるまで、現在料金は290円、時間にして34,5分です。各駅の間は大体2分から3分、途中の著名駅としては江ノ島、鎌倉高校前、極楽寺、長谷などがあります。
この100年にもなる江ノ電の、往時の車両やそれぞれの時の駅の風景を写した写真を編集したのがこの写真集です。古くは昭和20年代から平成にいたるまで活躍した歴代の江ノ電車両の姿が写されていますが、大半はグリーンがかったモノクロ写真で構成されており、史料としても貴重でしょうし、また代々の車両やその車両にまつわるエピソードが型式名とともに解説されているため鉄道ファンにも喜ばれるでしょう。
江ノ電が走行する写真の背景にはその折々の街の風景がセピア色の空間の中に切り取られており、写真の中にあらわれる看板や走っている車、あるいは駅舎で乗り降りする人々の姿から過ぎ去ったそれらの日々の息遣いが静かに聞こえてくるような気がします。(ロングバージョンのレビューは http://shonan.qlep.com/のレジャー→エンタメでどうぞ)
鉄道ゼミナール音楽編
向谷実&SUPER BELL"Zによる、国内大手私鉄各社のテーマミュージック集です。
特筆すべきは、16と19で聴けるカシオペアサウンド。
すぐに野呂一生さんの音とわかるギターを聴くと、思わずうれしくなります。
「Train Simulator」に収められていた曲の再アレンジとはいえど、現在活動休止中のカシオペアの演奏が新譜で聴けるのは、何とも得した気分です。
もちろん、全編にわたり鉄道ファンとしても楽しめる構成になっています。
京浜急行のいわゆる"ドレミファインバーター"をベースとした曲(8)には思わずウケてしまいましたし、京阪電鉄の発車メロディーメドレー(14)も待望のCD収録です。
小田急沿線在住としては、向谷さんらしさが感じられる小田急のイメージ曲(6)もうれしく、本当に発車メロディーか列車接近メロディーとして採用してくれないかな、と思ったりします。
向谷さん作の曲は、「向谷節」ともいえる音の使い方が表れていて好きですし、SUPER BELL"Z作の曲は鉄道エンターテイメントとして素直に楽しめます。もっとも、SUPER BELL"Z作の9は、クレジットを見るまで向谷さん作の曲かと思ったほどで、お互いに影響しあいながら作品作りをしているのだなぁ、と感じました。
鉄道ファン向けの作品ではありますが、音楽としてのクオリティも高く、いろいろ楽しめる一枚です。