銀の匙 (岩波文庫)
少年のレンズを通すと、山や谷は、壮大な 風景として映り、それがそのまま丁寧な描写により、私の目にも浮かぶようです。景色の美しさも去ることながら、少年の繊細なハートには、時に哀しく、時に胸をときめかしたり、時に爽快な気持ちにさせられました。とても単純に、自然っていいなぁ、人間のぬくもりっていいなぁと感じられる作品だと思います。気持ちがふさいで、何かに感動できなくなったり、感謝や思いやりの心が持てなくなってしまった時に、読みたい一冊です。
NHK大河ドラマ 風林火山 完全版 第壱集 [DVD]
今までみてきた大河ドラマのなかで、私は一番好きです。
キャストもみなさん素晴らしいです。オープニングの映像と千住明さんの音楽がとてもよく、武田家の行く末が分かってるだけに、切なくなります。今後もこんな作品を期待します。
銀の匙 (角川文庫)
ほんとうに記憶だけで書いたのだろうか。
大人の書いた子ども、ではなく、子どもそのもの──
本書はまるで、小さい頃に綴っていた日記を久しぶりに
開いたような懐かしく繊細で清浄な光に満ちている。
繊細であればあるだけ人一倍被り感じるものの哀れに
始終涙を浮かべる少年は周囲の野卑な者の目には
確かに煩わしく見えることだろう。
そしてそれが為にますます人嫌いや憂鬱症に拍車をかけ、
うちなるもの・儚いもの・美しいものに心惹かれ
耳を傾けていく彼の心のうちが薄玻璃の花のように
痛々しく愛おしく感ぜられる。
文章も美しく、自然で衒いがない。
仲良しの女の子が遊びにくる時の足音「ぽくぽくちりちり」や、
鳥が飛び立つ時の羽音「たおたお」など、
擬音語や擬態語も澄んでいる。
いつか全文を手書きで書き写してみたいと思う。
奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち
初代『銀の匙』組(昭和31年・1956)は、15名が東大に合格(全国22位)、二代目『銀の匙』組(昭和37年・1962)は、“39名と急伸した灘校は、関西では超一流進学校として、一気に名を馳せるようになった”。。。
エチ先生の教育方針、方法については賛同する点が多いのだが、本の切り口はどうもうさんくさい。1960年に38人の東大合格者を出している高校が、1962年に39名の合格者を出した場合、急伸という表現はおかしい。誤読を誘導するような統計引用は、いかがなものか。調べなかったのか、意識的なのか。。エチ先生に失礼ではないか。。。褒めるために全力を尽くしている本だ。ちょっとげんなりしながらも、エチ先生の授業については知りたいので最後まで読める!ある意味すごい。
日本合唱曲全集「雨」多田武彦作品集
何度も聴いても、歌っても感動する曲であり、多田武彦氏の大フアンの一人です。何故、こんなに感動を覚える作品が生まれるのでしょうか?歌う喜びをまた、増幅させられました。ありがとう!